レクサスの“ラグジュアリークーペ”「LC」は何が進化した? ツーリングは快適に! ワインディングは爽快に!! 新たな特別仕様車「PINNACLE」のスゴさとは
矢継ぎ早の改良でレクサスの旗艦クーペはどう進化した?
気づけばデビューから早くも8年。されど、そんなことを意識させない優雅な存在感を漂わせるレクサスのフラッグシップクーペ「LC」が一部改良を実施。さらに、特別仕様車「PINNACLE(ピナクル)」をそのラインナップに追加しました。
実は「LC」、2024年12月にも一部改良が実施されたばかりです。矢継ぎ早となる今回の変更、そして特別仕様車は一体どんな内容なのか? レクサス車の開発の本拠であるトヨタテクニカルセンター下山でじっくりと見極めてきました。

今回の改良の内容は主に走りに関わるものですが、変更されたのはたったひとつの部品です。それはドアストライカー。左右ドアをボディ側で受けるパーツです。今回、その厚みが従来の4mmから5mmへと増やされました。大きなドアを支える部品だけに、それが全体剛性の向上につながり、ステアリング操作に素直に応答する走りを可能にすると、レクサスはうたっています。
「それだけ?」といわれそうですが、実際それだけ。しかし、それに合わせてサスペンションチューニングに微調整が加えられた、と聞けば、間違いなく変化があるということでしょう。
そして、特別仕様車「PINNACLE」。こちらは「LC500」、「LC500コンバーチブル」という、いずれも珠玉の5リッターV型8気筒自然吸気ユニットを搭載するモデルに設定されました。
両車共通の目玉が、そのエンジンをパーツの重量合わせなどおこなった上で組み立てた高精度チューニングエンジンと、手作業のバックラッシュ調整をおこなった特別組付けLSDです。加えて、バンパー一体成型のフロントバンパーカナードと、専用CFRPリアウイングも両車には備わります。
これらは、いずれも2023年に発売された特別仕様車「EDGE(エッジ)」に初めて使われたもの。コンバーチブルには今回が初採用となります。
さらに「LC500」については、リアアルミ中空サスペンションメンバーも採用されました。これもやはり「EDGE」ゆずりのものですが、今回はギヤ比可変ステアリング、電動パワーステアリング、DRS(ダイナミック リア ステアリング)を統合制御するLDH(レクサス ダイナミック ハンドリング)との組み合わせとなるのが大きな違いです。
そんな「PINNACLE」において特別感が半端ないのが、専用の内外装。「LC500“PINNACLE”」は、専用ボディカラーの朧銀(おぼろぎん)にブラック&ホワイトのインテリアを、「LC500コンバーチブル“PINNACLE”」は、ニュートリノグレーのボディカラーにブラウンシルバーのソフトトップ、そしてサドルタン&ホワイトのインテリアを採用しています。いずれも、これらコーディネートのみの設定です。
さらに、両車共通でブラックスパッタリング塗装の21インチ鍛造ホイールを組み合わせているほか、インテリアには助手席インストルメントパネルのグラデーション刺繍(ししゅう)、専用のスカッフプレート、センターコンソール上のプレートなどがあしらわれます。
●夢中でアクセルペダルを踏み込みたくなる「LC500“PINNACLE”」
さて、ではそれぞれの印象です。
まず対面したのは「LC500“PINNACLE”」。表面の凸凹により光を乱反射させ、マットな質感を表現するというマットクリア塗装を用いた朧銀は、光の加減で表情が一気に変わる奥深いつやめきが印象的です。インテリアはホワイト基調で、要所をブラックで締めたという感じ。ルーフライニングまでホワイトでまとめられて、贅沢感が極まります。

それ以上に驚かされたのが、走りの上品な振る舞いです。まず感じるのは、乗り心地がさらにしっとり落ち着いたということ。専用の空力パーツは、実はダウンフォースの向上よりも、1ヘルツ辺りの、要はプルプルとした微振動を落ち着かせる働きを重視したものだということで、その効果は大きそうです。
実際、高速周回路では120km/hを超える速度域でも試しましたが、安定感ひいては安心感は極上でした。進化を続けてきた「LC」は、いまやノーマルでも走りの質は相当ハイレベルだと思いますが、「PINNACLE」はさらにひと磨きが加わったという印象です。
爽快だったのがワインディングコースでの走りです。筆者(島下泰久)はあえて後輪操舵を用いなかった「EDGE」の走りを“「LC」の究極”と思っていましたが、「PINNACLE」はリアのカッチリとした剛性感のおかげで、後輪がステアしても走りの一体感が失われず、小気味よく曲がる面白さを雑味なく味わえます。端的にいって「コレもアリ!」と思いました。
さらに研ぎ澄まされたフィーリングの自然吸気V8と、そのうま味を引き出す精緻に組まれたディファレンシャルが織りなすレスポンスとサウンドも最高。とにかく夢中でアクセルを踏み込んでしまいます。
グランドツーリングはより快適に、ワインディングロードではより爽快に。「PINNACLE」はそんな風に「LC500」の走りを進化させたといえそうです。
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