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“インディ500王者”が初代「シビックRS」でラリー初挑戦! ホンダ学園の学生たちはなぜ“モナコでの旧車ラリー”に参戦するのか?【Behind the Product #29】

学生たちが「インディ500」の勝者とラリーに挑む

 2026年2月、モナコを起点に開催されるヒストリックカーのラリーに、日本から興味深いチームが参戦します。チームスタッフは、クルマに関する技術者や整備士を目指す学生たち、ドライバーは、モータースポーツ界の最高峰レース「インディ500」で2度の勝利を収めている佐藤琢磨選手が務めるといいます。

「ラリー・モンテカルロ ヒストリック2026」に向けてホンダ学園の生徒たちがレストア中の初代「シビックRS」
「ラリー・モンテカルロ ヒストリック2026」に向けてホンダ学園の生徒たちがレストア中の初代「シビックRS」

 2025年8月7日、学校法人ホンダ学園は、同校の創立50周年記念プロジェクト企画の第1弾として、海外ヒストリックラリーへの参戦を発表。併せて、参戦するチームの体制を公開しました。

 ホンダ学園は、ホンダ創業者の本田宗一郎氏が「技術だけでなく、世界に歓迎される人間をつくりたい」という志の下、1976年に創設された自動車技術者や自動車整備士を育成する教育機関です。

 その創立50周年記念プロジェクトの第1弾として決定したのが、学生有志たちを中心に結成されたチームによる「ラリー・モンテカルロ ヒストリック2026」への参戦です。

「ラリー・モンテカルロ ヒストリック」は、モナコ自動車クラブが主催。モナコを起点に南仏アルプス山岳地帯を中心とする複数の都市で開催されます。レギュラリティラリー形式の競技であり、総延長2000~3000kmのコースを決められた平均速度で正確に走行。速さではなく精度と対応力を競います。

 28回目となる次回大会は、2026年2月1日~7日に開催。事前レッキやサービスを含めると、約3週間という長丁場となります。

 参戦マシンは、1911~1980年代初頭までに「ラリー・モンテカルロ」に参戦実績のある車種、または同等仕様のヒストリックカーに限定されているため、ホンダ学園のチームはホンダ車で唯一、条件を満たす初代「シビック」をセレクト。1975年式の「シビックRS」2台をレストアし、参戦を目指します。

 チームは、ホンダ学園が運営する「ホンダテクニカルカレッジ」の関東校(埼玉)と関西校(大阪)で学ぶ約30名の学生たちで構成。参戦車両のレストアはもちろんのこと、ラリーの参戦手続き、現地での車両サポート、コ・ドライバーなど、競技に関する大半の作業を担当し、教員たちはあくまでサポート役に徹します。

 その責任の大きさもあってか、発表会に参加した学生たちからは、やる気とともに強い緊張感が伝わってきました。

 今回のクラシックラリー参戦のねらいについて、関東校の教員であり、チームマネジャーを務める中野健二さんは、学生たちにあえて厳しい環境を経験させる大切さを次のように解説します。

「本プロジェクトの根底には、ホンダ学園が創立以来、大切にしてきた“実践第一の技術を学びとる”という教育方針が息づいており、基礎技術教育の土台に加えて、現場でのリアルな経験こそが技術者として、人としての成長に欠かせないものと考えています。

 想定外の事案も発生するラリーは、まさに実践と挑戦とが凝縮されたイベントだと考えています」

 ホンダ学園の関東校は、2016年から7年間に渡って東京大学とコラボし、「ラリー・モンテカルロ ヒストリック」に挑戦してきた実績がありますが、学園単独でのチャレンジは、今回が初だといいます。

Nextレストアが進む「サンセット号」と「マドリード号」
Gallery 【画像】「えっ!…」学生たちが「インディ500」王者と旧車ラリーに挑戦! これがホンダ学園がレストア中の「シビックRS」です(30枚以上)
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