“インディ500王者”が初代「シビックRS」でラリー初挑戦! ホンダ学園の学生たちはなぜ“モナコでの旧車ラリー”に参戦するのか?【Behind the Product #29】
レストアが進む「サンセット号」と「マドリード号」
ホンダ学園のチームが「ラリー・モンテカルロ ヒストリック2026」に参戦するマシンは、海外クラシックラリーへの参戦実績がある2台の初代「シビックRS」。それぞれボディカラーに由来する「サンセット号」と「マドリード号」なるニックネームがそれぞれ与えられています。

チーム体制はふたつに分かれており、「サンセット号」は一級自動車整備学科3年の飯塚はるなさんが、「マドリード号」は一級自動車整備学科3年の松野翔太さんが、それぞれリーダーを務めます。
ふたりによる現状報告によると、すでに準備の段階で多くの困難に直面しているとのこと。2台のマシンは完全に分解された後、ボディの修復と塗装を含むレストア作業が施されますが、日本での車検に合格することが参戦条件のひとつであるため、公道走行可能な状態に仕上げる必要があるのだといいます。
見た目にはきれいな2台の「シビックRS」でしたが、塗装をはがしてみると各部にサビが発生しており、板金は予想以上の作業が必要となったそうです。
メカニカル部分の修理では、すでに日本国内にはない部品も多く、それらを海外から入手する必要があったことから、調査と手配に多くの時間がかかったそうです。
加えて、ラリーの申し込み期限から逆算して、車検取得を早める必要があることが判明するなど、すでにドタバタの状態なのだとか。しかし、チームを代表して決意表明をおこなった松野さんは、
「今回、自分たちの手でレストアした『シビックRS』で『ラリー・モンテカルロ ヒストリック2026』に参戦しますが、どんな問題が起きようともみんなで知恵を出し合い、なんとしても車両を走らせ、2台ともにゴールテープを切ります」
と、宣言。ふたりの表情からは挑戦に対する強い意欲が感じられました。
ちなみにドライバーは、今回のプロジェクトのアンバサダーでもある佐藤琢磨選手と、ホンダでテストドライバーとしての経験を持つ関東校の校長・勝田啓輔さんが務めます。
佐藤琢磨選手は、「仲間とともに困難を乗り越えていくプロセスこそが、人としても、教育としても大事」とした上で、自身のキャリアでも大切にしてきた「ノーアタック、ノーチャンス」という姿勢で頑張って欲しいとエールを送りました。
また、今回のラリー本番での目標については、
「まずは学生全員が安全に、それぞれの挑戦を遂行できる環境ですべての工程を終えることですね。ラリーは何が起こるか分からないもの。だからこそ、できるだけ彼らの手をわずらわせないよう、ていねいにドライブしたいと考えています。
でもレーサーですから、ホンダらしく1位をねらっていきたいという気持ちもあります(笑)。みんなが頑張れば、結果は後からついてくると思っています」
と、にこやかに話してくれました。
現在、学生たちはマシンのレストアを完成させ、車検を取得することを目下の目標に掲げており、参戦に向けての書類作成や輸送、滞在先の確保、ラリーコンピュータの開発といった準備を進めています。
また、マシンをドライブする琢磨選手も、人生初のラリー参戦に向け、限られた時間の中で学生が担当するコ・ドライバーとともに練習に取り組んでいきたいと、意気込みを語ります。
トップドライバーとエンジニアの卵が初タッグを組み、学生たちで構成されたチームが、自分たちの手でレストアしたマシンで「ラリー・モンテカルロ ヒストリック2026」に参戦するという壮大なチャレンジ。果たしてどんな成果を得ることができるのか、今から彼らの挑戦が楽しみです。
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