落札価格は約4億円!? ポルシェ964型「911リイマジンドbyシンガーDLS」が米国オークションに登場 世界にわずか75台しか存在しない究極の“空冷ポルシェ”とは
964型「911」を現代に蘇らせたシンガーの匠の技
2025年8月13日と14日に米国カリフォルニア州で開催されたブロードアローオークションズ主催の「モントレージェットセンター2025オークション」において、1991年式ポルシェ「911 Reimagined by Singer DLS(911リイマジンドbyシンガーDLS」が出品され、落札されました。

今回の個体は「Mame Commission(マメ・コミッション)」と名付けられた特注仕様車で、走行距離はわずか250マイル(約402km)。事実上、新車同然の状態で出品されました。単なるリフレッシュやレストアではなく、シンガー独自の哲学に基づき“リイマジンド”された一台であり、1991年式のオリジナルの964型「911」をベースに徹底的な再構築が施されています。
シンガー・ヴィークル・デザインは米国ロサンゼルスを拠点に、空冷ポルシェ911のレストアで名を馳せるメーカーです。特に964型911をベースに、現代的なエンジニアリングとクラフトマンシップを融合させたプロジェクトで世界的な評価を確立。その象徴が「ダイナミクス・アンド・ライトウェイト・スタディ(DLS)」です。
DLSはウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングとタッグを組み、964型911を極限まで進化させることを目的に開発されました。空冷ポルシェの名匠ハンス・メッガー氏やノルベルト・シンガー氏も参画し、4リッターの水平対抗6気筒自然吸気エンジンは500馬力を発揮。9000rpmまで吹け上がるユニットに、マグネシウム製6速トランスミッション、チタン製コンロッドやカーボン製エアボックスを組み合わせ、車重はわずか990kgに抑えられています。
足まわりにはドイツのBBSモータースポーツ製18インチ鍛造マグネシウムホイールや、ブレンボ製カーボンセラミックブレーキを採用。CFD解析によって最適化されたボディラインは964本来の美しさを尊重しつつ、現代的な空力性能を備えています。2018年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初披露されたこのプロジェクトは、世界に75台しか存在しない超希少なモデルです。
今回落札された個体は、外装に4万2550ドル(約630万円)のオプションカラー「フルイドシルバー」をまとい、全体にはプロテクションフィルムが施工されています。内装はオリーブグリーンのスエードを中心に、ブラックカーボンやアルミパーツを組み合わせた仕立てで、メープルウッド製シフトノブや専用ステアリングホイールなどが加えられています。ヴィンテージ感とモダンな要素が高次元で融合し、シンガーらしい徹底したクラフトマンシップを体現しています。
また、2024年8月にはシンガーで「Year 1 Service(イヤー・ワン・サービス)」を受けており、各部は万全の状態に整えられています。空冷ポルシェファン憧れのDLSの中でも、限りなく新車に近い状態で残されたこの一台は、まさに“現代に蘇った究極の911”と呼ぶにふさわしい存在といえるでしょう。
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今回のオークションでは、落札予想価格が290万ドルから320万ドル(日本円で約4億3034万円から4億7487万円)に対し、最終的に264万5000ドル(日本円で約3億9250万円)で落札されました。
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