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えっ…、使いやすい!? トヨタ「プリウス」が切り開いた電子制御シフトセレクター“エレクトロシフトマチック”が今も採用される理由とは

20年前から続く「エレクトロシフトマチック」の進化

 トヨタ・プリウスに電子制御シフトセレクターが採用されたのは2003年登場の2代目からで、すでに20年もの歴史があります。

現行型プリウスに採用される電子制御シフトセレクター。20年前から続く「エレクトロシフトマチック」の進化形
現行型プリウスに採用される電子制御シフトセレクター。20年前から続く「エレクトロシフトマチック」の進化形

「エレクトロシフトマチック」と名付けられたこの装備は、トヨタの量産車として初めてバイワイヤATシフトレバーを採用したものでした。

 現在のデザインとは異なるものの、シフトパターンや「P」ボタンを押してパーキングに切り替わる基本操作は現行型と同じ。この時点でトヨタ流の電子制御シフトセレクターの基本形が完成していたといえます。バイワイヤ方式のため、ドライバーの操作はコンピューターに信号として送られ、電気的に各シフトポジションへ切り替わります。

 2代目プリウスはこのシステムに加え、プッシュボタンスタートなども採用。ユニバーサルデザインを意識し、運転操作を革新する電子制御技術を積極的に導入していました。当時まだ珍しかったハイブリッドシステムとあわせ、プリウスはトヨタの先進イメージをけん引する存在だったのです。

 2009年登場の3代目、2015年登場の4代目でもエレクトロシフトマチックは踏襲されました。このころからはアフターパーツとして、ボタン操作でシフトを完結させる製品も登場。バイワイヤならではの自由度が広がりました。

 そして2023年の5代目では、インテリアデザインが大きく刷新。従来のセンターメーター式インパネを廃止し、シフトレバーをセンターコンソールに移設しました。デザインは他のトヨタ車と共通化されましたが、シフトパターンは従来と同じ。プリウスで確立されたエレクトロシフトマチックが、他のトヨタ車にも広く展開されていった証といえるでしょう。

 電子制御シフトセレクターには「操作感が変わる」として否定的な声もあります。しかし採用されるのには理由があります。ひとつはインテリアデザインの自由度を高め、空間を有効活用できる点。そしてもうひとつは、運転支援システムとの相性です。

 近年は車両がアクセル・ブレーキ・ステアリングを操作して駐車を支援するシステムが普及しています。バイワイヤ化されたシフトなら、前進と後退を車両側で制御でき、ドライバーの操作なしに切り替え可能となります。これは駐車支援において極めて重要な仕組みです。

 思えば、2003年の2代目プリウスにも世界初となる「インテリジェントパーキングアシスト」が搭載されていました。後退時のみではありましたが、ステアリング操作を車両が支援するシステムです。電子制御シフトセレクターの導入は、こうした運転支援の進化を見据えた先見性の表れだったといえるでしょう。

Gallery 【画像】時代ごとに変化したインテリアデザイン! トヨタ「プリウス」2代目から最新型までを写真で見る(35枚)
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