VAGUE(ヴァーグ)

あるはずないフェラーリ「テスタロッサ・スパイダー」がこの世にある理由とは?

米国でカスタムされた「テスタロッサ」の最低落札価格は?

 ストラマンは、カリフォルニア州コスタメサに本拠を置く有名なコーチビルダーで、オープンカーへの改装を得意としていた。同社のカスタマイズの対象はフェラーリだけでなく、例えば日本の「日産300ZX(Z31系フェアレディZ)」や「ホンダ・バラード・スポーツCR-X」などのオープン版も一定数をシリーズ製作し、1984年には日本のカーグラフィック誌に取り上げられることもあった。

●1987 フェラーリ「テスタロッサ・スパイダー by ストラマン」

  • 「ストラマン」が手がけた、12台の「テスタロッサ」のスパイダーモデルの1台(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 いずれのストラマン製オープンモデルも精度と品質の高さをアピールしていたようだが、とくにテスタロッサのコンバージョンについては、FRP製のリアデッキや複雑なリンクを用いたソフトトップなどを独自にデザインしている。また安全性も十分に考慮されていたこともあって、当時のオーダー主には14万ドル以上の請求書が発行されていたという。

 今回の「ARIZONA」オークションは、ストラマンが製作した12台のテスタロッサ・スパイダーのうちの1台。さらにネロ(黒)ボディの個体は2台のみといわれている。

 RMサザビーズ社の公式WEBオークションカタログの写真を見る限りでは、内外装/メカニカルパートともに美しいコンディションで、一部ながら整備記録も残されているという。

 この魅力的でユニークなテスタロッサについて、カタログでは「オープントップのスパイダーの身上であるドライビングの爽快感。アイコニックな1980年代的スタイリング。そして伊米共作の優れたコーチビルドクォリティを兼ね備えている」と謳いつつ、12万5000ドル−17万5000ドル、日本円に換算すれば約1300万円−約1815万円というエスティメート(推定落札価格)を設定している。

 もしもエスティメート上限の1800万円超えで落札されるなら、現在世界の市場に出回っているスタンダードのテスタロッサ(ベルリネッタ)たちのもっとも高い価格帯に匹敵することになる。

 この種のカスタムカーは、往々にしてスタンダードよりも安めのマーケット評価を受けがちであるが、アメリカの著名スペシャリストが手がけたハイエンドの1台に、アメリカのバイヤーたちはいかなる審判が下すのか? 実に興味深いオークションになりそうである。

Gallery 【画像】希少な「テスタロッサ」のスパイダーモデルとは(23枚)
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