フェラーリの歴史で“最後”のマニュアル車! 13年前に登場した「599GTBフィオラノ」を発見 当時のフェラーリ会長が工場でシャンパンを手渡し納車されたという特別な1台とは
最後の「アナログ・スーパーカー」は右ハンドル仕様
まもなく開催されるRMサザビーズのオークションに、2012年式フェラーリ「599GTBフィオラノ」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。

2012年、マラネッロの工場ラインを一台のフェラーリが静かに後にしました。
シャシナンバー「187007」。この599GTBこそ、フェラーリが手がけた最後のマニュアルトランスミッション搭載車とされる一台です。
長い歴史のなかでフェラーリが築いてきた“クラッチとシフトの喜び”は、このクルマをもって幕を閉じました。
1997年に「F355」へF1マチックが導入されて以降、フェラーリの生産は急速に自動化へと傾いていきました。
「550マラネロ」まではすべてMTが主流でしたが、その後の「575Mマラネロ」では246台、オープンモデルの「575スーパ-アメリカ」ではわずか43台しかマニュアル仕様が存在しません。
そして599GTBになると、その数はわずか30台にまで減少しました。時代はF1の成功に沸き、シフトタイムの短縮と操作の容易さが顧客の心をつかんでいました。
フェラーリが「カリフォルニア」をMTでも提供していたことはあまり知られていませんが、実際に生産されたのは全体の中でたった3台だったといわれます。もはやMTは過去の遺産となり、フェラーリ自身もその終焉を静かに受け入れていたのです。
この599GTBが完成したとき、フェラーリは特別なセレモニーも発表も行いませんでした。しかし、その意味を理解していた人物がいました。この個体の最初のオーナーであり、香港のVIP顧客です。
彼と二人の同郷のフェラーリ愛好家は、3台の右ハンドル仕様のマニュアル599GTBをフェラーリ本社で直接受け取りました。
その納車式には当時の会長ルカ・ディ・モンテゼーモロが立ち会い、シャンパンを手に祝いの言葉をかけたといいます。モンテゼーモロはこのクルマのドアシルに自らサインを残し、リアのパーセルシェルフには「THE FINAL 599 GTB MANUAL」と刻まれたプレートが取り付けられました。
外装色は「カンナ・ディ・フチーレ(Canna di Fucile)」、内装は温かみのある「クオイオ(Cuoio)」レザーで仕上げられ、まさに時代の終わりを象徴する上品な佇まいです。
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