往年の“インターカラー”を思わせる「XSR900GP」用外装キットも展示! 電動車でも水素バイクでも“走りの楽しさ”を追求する「ヤマハの未来型バイク」とは
動力が変わっても走る楽しさを追求
「ジャパンモビリティショー2025」のヤマハブースでは、新しい市販車の発表こそありませんでしたが、バイク好きの心に響くモデルが多数展示されていました。

「個人的に気になったのは、『XSR900GP』の外装キットです。かつて“インターカラー”と呼ばれていた、イエローにストロボラインの入った配色で、バイクファンならグッときたのではないでしょうか?」と話すのは、乗り物ライダーの増谷茂樹さん。
「『XSR900GP』は往年の“レーサーレプリカ”をイメージさせるデザインが人気ですが、今回出展された外装キットは、その世代のファンに響くカラーといえます。カウルとタンク、シートカバーがセットになったキットで、2026年に発売を予定しているということです」(増谷さん)
その近くには、電動車のコンセプトモデルが3台並んでいました。世界初公開となるフル電動スーパースポーツ「PROTO BEV」、ハイブリッドの「PROTO HEV」、プラグインハイブリッドの「PROTO PHEV」の3台です。
「『PROTO BEV』は『YZF-R』シリーズを思わせるようなデザインで、よく見るとラジエーターもついていました。バッテリーやモーターを冷却するためのものだそうで、それだけ出力を絞り出しているということですね。スーパースポーツとしての期待が高まります」(増谷さん)
「PROTO HEV」は大型スクーターを思わせるデザインで、シリーズ・パラレル式のハイブリッドパワートレインを搭載。多彩な走行モードに対応し、都市部では電動で静かに走り、郊外ではエンジンのパワーを活かしてスポーツライディングを楽しめるとしています。
ヤマハの「MT-09」をベースとする「PROTO PHEV」は、3気筒のエンジンに加えて電気モーターを搭載。モーターのみでの走行にも対応し、外部からの充電も可能と、内燃機関の可能性を未来につなぐ研究・開発モデルだといいます。
「ヤマハは電動モデルでも“走る楽しさ”を重視していることがこの3台から伝わってきました。すでに実走テストを重ねているとのことで、早く乗ってみたいなと感じました」(増谷さん)
●AI学習に対応した自立2輪マシンも展示
そんなヤマハブースには、トヨタと共同開発中という水素エンジンを搭載したコンセプトモデルも展示されていました。「H2 バディポーター コンセプト」と名づけられたそれは屋根のついたデリバリーバイクのようなルックスで、トヨタが開発した水素タンクを後部に搭載しています。
「燃料電池ではなく、水素エンジンを動力源としたモデルです。水素を燃やすため、排気管からは水蒸気のみが排出されるとのことでした。燃料電池と違って純度が高くない水素でも走れるので、工場などで排出される副生水素も燃料として活用できるのがメリットです」(増谷さん)
水素タンクの容量は23リットルほどで、航続距離は100km程度が目標。現状、各地の水素ステーションは、50リットル以下のタンクへの充填には対応していないとのことですが、そうした規制の緩和なども提案していきたいとのことでした。
またヤマハブースのステージ上には、AI技術で学習して進化するモビリティ「MOTOROiD:Λ(モトロイド ラムダ)」と3輪のフルオープン電気自動車「TRICERA proto(トライセラ プロト)」も展示。どちらも未来感のあるモビリティです。
「2輪で自立可能な『MOTOROiD:Λ』は、前回、発表されたものから設計が変更され、前後輪モーターのトルクとハンドルを切るような動きでバランスを取る機構に。この機構は市販バイクにもフィードバックができそうで、AIによって仮想学習した内容を現実世界に反映することもできるそうです」(増谷さん)
一方、3輪すべてで操舵する「TRICERA proto」は、クルマともバイクとも異なる乗り味を楽しめるとのこと。走行音をチューニング&調律するサウンドデバイス“αlive AD”の搭載にも注目です。
VAGUEからのオススメ
マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】