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世界でたった5台のみ作られた特別なフェラーリをオークションで発見 “デイトナ史上最もアグレッシブ”と称された「365GTB/4スパイダー」ってどんなクルマ?

NART総帥がミケロッティに作らせた特別なモデル

 2026年2月に米国フロリダ州ボカラトンで開催されるRMサザビーズ主催のオークションで、1971年式フェラーリ「365GTB/4デイトナ NARTスパイダー」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品予定の1971年式フェラーリ「365GTB/4デイトナ NARTスパイダー」Jorge Guasso(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1971年式フェラーリ「365GTB/4デイトナ NARTスパイダー」Jorge Guasso(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 1970年代半ばになると、スポーツカーのデザイン潮流は戦後的な流麗さから、鋭く空気を切り裂く幾何学的で攻撃的な造形へと移行していきました。これがいわゆる「ウェッジシェイプ」の時代です。

 常に時代の先端を行くフェラーリも例外ではなく、この流れを意識したデザインへと進化を始めました。

 一方アメリカでは、フェラーリの正規輸入元でありNARTの総帥でもあったルイジ・キネッティが、独自の解釈によるデイトナを生み出すことを決意します。

 彼は1970年代半ば、ジョヴァンニ・ミケロッティに依頼し、365GTB/4デイトナをベースとした特別な再ボディ化モデルを5台製作させました。

 いずれも共通してシャープで刃物のようなシャークノーズと、ノーズからテールまで一直線に貫かれたベルトラインを持ち、“史上もっともアグレッシブなデイトナ”と評される存在でした。

 シャシ番号14299は、そのうちキネッティの指示でロードカー仕様とされた3台のミケロッティ・スパイダーの最初の1台です。

 エアコンとパワーステアリングを備えた標準の365GTB/4クーペをベースとし、当初はキネッティの顧客であるドクター・シルヴァに納車されました。

 その後キネッティの元へ戻され、1976年にミケロッティのもとでスパイダー化されます。濃紺とグレーのツートーンボディに、オレンジ系レザー内装という独創的な配色が与えられ、純正計器や5スポークホイール、タンカラーのソフトトップ、さらにボディ同色の着脱式ハードトップを備えて完成しました。

 1977年に完成したこの「NARTスパイダー」は、キネッティから妻マリオンへ贈られ、ドアのベルトラインには彼女の名が記されました。

 1980年にはトリノ・モーターショーに出展され、その後ル・マン博物館で展示されるなど、ショーカーとしても華々しい経歴を重ねます。1985年に米国へ戻った後は著名コレクターの手を渡り歩き、フェラーリ・クラシケの認証も取得しました。

 走行距離は極めて少なく、その希少性と来歴、美しいウェッジデザインによって、今後もコンクールやイベントで強い注目を集める特別な1台です。

この1971年式フェラーリ「365GTB/4デイトナ NARTスパイダー」、落札予想価格は60万ドルから75万ドル(1USドル=156.8円換算で、日本円で約9411万円から1億1763万円)とされています。

Gallery 【画像】コレかっこいいね! 1971年式フェラーリ「365GTB/4デイトナ NARTスパイダー」を写真で見る(32枚)
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