3.5リッターV6エンジン×10速AT搭載 CR-Vより格上の大型SUV「パスポート」ってどんなクルマ? ホンダが北米生産車の“輸入”を決断した背景とは
スクエアで力強い北米向けモデルならではの“タフ顔”
ホンダは北米で展開している大型SUV「パスポート トレイルスポーツ エリート」の日本導入を正式に発表しました。同社が米国で生産したモデルを日本に“輸入”するのは、2003年の「エレメント」以来、実に23年ぶりのことです。
国土交通省が新設した米国製乗用車の認定制度を活用し、2026年後半からの発売を予定。「東京オートサロン2026」と「大阪オートメッセ2026」に参考出品した際には、来場者から市販化を求める声が相次いだといいます。
全幅2mオーバーのボディに、285馬力を発生する3.5リッターV6エンジンを搭載するなど、日本向けホンダSUVのラインナップにはない圧倒的なスケール感を持つこの「パスポート」とは、どんなモデルなのでしょう?
「パスポート」のエクステリアは、スクエアで力強いシルエットが印象的です。フロントマスクには「トレイルスポーツ」グレードの証であるオレンジのアクセントと、力強い「PASSPORT」のレタリングが配されています。
ボディ各部にはマットブラックの樹脂パーツが多用され、ブッシュの中を突き進むようなタフな使用状況を想定した機能美が貫かれています。そのワイルドなたたずまいは、日本でも圧倒的な存在感を放つことでしょう。
インテリアも、過酷な環境下での使い勝手が考慮されています。オレンジのステッチが施された上質なシートは、長距離のオフロード走行でも疲れにくいホールド性を確保。ラゲッジスペースは広大で、キャンプ道具や大型のスポーツギアを余裕で積み込める仕立てとなっています。

パワートレインには、最高出力285馬力/6100rpmを発生する3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。最大トルクは262lb-ft(約355Nm)/5000rpmで、2トンを超える車体を力強く走らせます。なおトランスミッションには、10速ATを組み合わせています。
4WDシステムには、ホンダ独自のトルクベクタリングAWDである“i-VTM4”の第2世代を採用しています。“i-VTM4”は後輪の左右それぞれに独立したクラッチパックを持っており、各輪へのトルク配分をリアルタイムに最適化するのが特徴です。
第2世代ではリアドライブユニットが強化され、トルク処理能力が従来比で40%向上。レスポンスも30%改善されています。これにより、泥濘地や岩場における脱出性能が向上したのはもちろんのこと、舗装路のコーナリングでも外側後輪に多くのトルクを送ることで軽快な旋回性能を発揮します。
ドライブモードは、「ノーマル」、「スポーツ」、「エコノミー」、「スノー」、「サンド」、「牽引」、「トレイル」の7種から選択可能。街乗りからキャンプ場手前の林道まで、シーンに応じた走り味を引き出せます。
足まわりは、「トレイルスポーツ」グレード専用にチューニングされたサスペンションとオールテレーンタイヤを採用。211mmの最低地上高により、多少荒れた路面でも臆することなく進入できます。
さらに、厚い鋼板のスキッドプレートによってフロア下を保護。キャンプ場へのアクセス路や河原など、日本のアウトドアフィールドで遭遇しがちな凸凹道への安心感は絶大です。
ボディサイズは全長4864mm、全幅2017mm、全高1857mm。全幅はトヨタ「ランドクルーザー250」の1980〜1990mmをも上回るため、狭い路地などでは慎重な運転が必要となりそうです。
●なぜ今、北米生産モデルが日本に輸入されるのか?
今回、ホンダが「パスポート」の日本導入を決断した背景には、日米間の貿易摩擦への対応があります。
また、国土交通省が新設した米国製乗用車の認定制度によって、追加の安全試験なしで日本に持ち込めるようになったことも大きなきっかけといえるでしょう。
今回ホンダは、アキュラブランドの高性能スポーツ「インテグラ タイプS」の日本導入も発表しており、米国生産モデルを活用した国内ラインナップ拡充の意志を明確にしています。
現在、ホンダの日本向けSUVは、「ヴェゼル」、「ZR-V」、「WR-V」、そして新型「CR-V」とコンパクトモデルからミッドサイズまでのラインナップ。いずれも実用性と燃費効率に優れていますが、本格的なオフロード性能を誇る大型SUVは不在でした。
新たに上陸予定の「パスポート トレイルスポーツ エリート」は、そのポートフォリオの“天井”を一気に押し上げる存在となりそうです。
日本仕様の価格や正確な導入タイミングについては、続報を待ちたいところです。
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