フェラーリ初のBEV 新型「ルーチェ」に賛否両論 “初代iMac”を手がけたクリエイティブ集団がデザインした“らしくない”スタイリングに隠された“ヒミツ”とは
アップル・デザインに通じる個性的でシンプルな造形
フェラーリ初のEV、「ルーチェ」が発表されました。
現在、デザインの賛否がネット上を賑わせていますが、ひとつ、とても大切なことがあります。
新型ルーチェをデザインしたのは、社内のデザイン部門であるフェラーリ・チェントロ・スティーレではなく、ジョニー・アイブとマーク・ニューソン率いるクリエイティブ集団である“LoveFrom”だったということです。
アイブはかつてアップルの最高デザイン責任者として初代iMacや初代iPhoneを手がけた人物。ニューソンもその同僚として、数々のアップル製品をデザインしてきました。
つまり、ふたりは現在のアップル・デザインを完成させた人物といっても過言ではないのです。
工業デザイン界において、彼らの才能をうたがう声はまったくといっていいくらい聞かれません。なぜでしょうか?

アイブとニューソンはこれまでにない美しいデザインを作り上げてきただけでなく、優れた機能性も同時に両立させてきたからです。これはアップル製品の最大の特長といってもいいものですが、その実現には、アイブとニューソンのふたりが深くかかわっていたといって間違いありません。
しかも、彼らのデザインはシンプルなのに個性的で、どこか懐かしいというか優しい表情を備えています。そんな、思わず手に取ってみたくなるデザインの特性もまた、アップルを成功に導く原動力になってきたような気がします。
それではLoveFromがデザインしたルーチェのスタイリングをみて見ましょう。
外観にデコボコしたところが少なく、余計なデコレーションが施されていない点は、まさにアップル・デザインに通じるポイントです。それでいてどこか優しげで、懐かしい雰囲気を漂わせているところも、これまでアイブとニューソンが作り上げてきたデザインと共通する点です。
ただし、ルーチェのデザインにはあっと驚くような仕掛けが盛り込まれています。実はルーチェ、クルマ本来の機能を盛り込んだ本体部分の上から、一種のカバーをかけたような構造になっているのです。
たとえば、従来のフロントグリルに相当する部分は空洞で、クルマ本来の本体部分はその下側の縁から始まって、フロントウィンドウの上端まで一直線につながっています。
いっぽう、空洞部分の上側の縁から始まっているのが問題のカバーで、これは40cmほど後に向かって進んだところで途切れています。このカバーは、前述した本体部分から切り離された構造になっていて、その上下を流れるエアフローを整流する役割を担っています。つまり、フロントウィングとして機能しているのです。
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