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アンミカ名言「白は200色、黒は300色あんねん」を体感できる。パナソニック「Mini LED 4K液晶ビエラW97C」で見えた“暗闇と光の情報量”

黒は、ただ暗ければいいわけではない

 今回のパナソニックの新製品体験セッションで、強く印象に残った言葉があります。

「黒のビエラ」

 そして、映画監督・吉野耕平氏がMini LEDフラッグシップモデル「W97C」で自身の作品『沈黙の艦隊』を視聴した際に口にした、「ここまで出てしまうのか」という驚きです。

 この「出てしまう」という表現。単に「きれいに見えた」という話ではありません。作り手が暗闇の中に込めた情報、見えるか見えないかの境界、光のにじみ、音楽とセリフと効果音のバランスまで、家庭のテレビでここまで再現されてしまうのか、という作り手側の驚きなのです。

パナソニックの2026年テレビ新製品体験セッション会場に並んだMini LEDビエラの新ラインアップ。左からフラッグシップのW97C、ハイグレードのW95C、スタンダードのW93C、そして有機ELテレビ Z95Cシリーズが展示され、「黒のビエラ」というメッセージのもと、Mini LEDでどこまで暗部と鮮やかさを両立できるかが訴求された。
パナソニックの2026年テレビ新製品体験セッション会場に並んだMini LEDビエラの新ラインアップ。左からフラッグシップのW97C、ハイグレードのW95C、スタンダードのW93C、そして有機ELテレビ Z95Cシリーズが展示され、「黒のビエラ」というメッセージのもと、Mini LEDでどこまで暗部と鮮やかさを両立できるかが訴求された。

 アンミカさんの名言に「白は200色、黒は300色あんねん」という言葉があります。少しユーモラスに聞こえるかもしれませんが、映画やアニメ、ゲームを本気で楽しむ人なら、その意味は意外なほど腑に落ちるはずです。

 夜の海。暗い部屋。逆光の人物。洞窟の奥。潜水艦の艦内。宇宙空間。夕闇の街。アニメの夜景。ゲームのダンジョン。ライブ映像の暗転したステージ。

 それらは、すべて同じ「黒」ではありません。

 真っ黒に沈ませるだけなら簡単です。しかし、それでは作品の情報量は失われます。暗闇の奥に壁があるのか、人がいるのか、光が漂っているのか、湿度があるのか、緊張感があるのか。そうした微細な違いこそ、作り手が映像に込めた“空気”です。

 同じように、白もただ明るければいいわけではありません。雪の白、光の白、肌に乗る淡いハイライト、水面にきらめく反射、暗闇に浮かぶ小さな光。それらを全部同じ白として飛ばしてしまえば、やはり作品の情報量は失われます。

ゲストトークセッションに登壇した映画監督の吉野耕平氏。自身が監督を務めるPrime Original『沈黙の艦隊』をMini LEDフラッグシップ「W97C」で視聴し、暗闇に込めた情報量が家庭用テレビで想像以上に再現されたことへの驚きを語った。
ゲストトークセッションに登壇した映画監督の吉野耕平氏。自身が監督を務めるPrime Original『沈黙の艦隊』をMini LEDフラッグシップ「W97C」で視聴し、暗闇に込めた情報量が家庭用テレビで想像以上に再現されたことへの驚きを語った。

 パナソニックが今回掲げた「黒のビエラ」というメッセージは、黒を黒く沈めることだけを意味しているのではありません。

 黒の中にある表情、そして暗闇に浮かぶ白や光の階調まで描き分けることで、映像の奥行きを取り戻す。そこに向けた宣言だと感じました。

 ビエラの歴史は、黒の再現性を追いかけてきた歴史でもあります。プラズマ、液晶、有機EL、Mini LEDと、時代ごとの表示技術が変わっても、パナソニックが一貫して重視してきたのは、単に明るい、単に鮮やかということではありません。

パナソニックが掲げる“黒”へのこだわりを示したスライド。「明るさ・鮮やかさだけでない」「真の美しさは、黒の中に宿る」という言葉は、今回のW97Cが単なる高輝度Mini LEDテレビではなく、映像制作者が意図した暗部の階調まで描こうとするモデルであることを象徴している。
パナソニックが掲げる“黒”へのこだわりを示したスライド。「明るさ・鮮やかさだけでない」「真の美しさは、黒の中に宿る」という言葉は、今回のW97Cが単なる高輝度Mini LEDテレビではなく、映像制作者が意図した暗部の階調まで描こうとするモデルであることを象徴している。

 映像制作者が意図した色や階調を、家庭のリビングでどう再現するか。そのこだわりの中心にあるのが「黒」であり、その黒を成立させるための光の表現なのです。

 今回のW97Cで興味深いのは、パナソニックがその黒表現をMini LEDで本気で追求している点です。一般的に、黒の表現といえば有機ELを思い浮かべる人は多いでしょう。

 しかしW97Cは、Mini LEDならではの高輝度表現に加え、緻密なバックライト制御によって、暗闇の中にある微細な情報まで描こうとしています。

 つまりW97Cは、単なる“明るい液晶テレビ”ではありません。Mini LEDでありながら、黒の表現に踏み込んだ、パナソニックらしい高画質テレビなのです。

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滝田勝紀
滝田勝紀
VAGUE家電統括プロデューサー
モノ雑誌の編集に15年以上携わり『デジモノステーション』編集長を歴任。現在は家電スペシャリストとして、国内外の最新テクノロジーを長年取材。All About家電ガイドやMakuakeエバンジェリスト、楽天ROOM公式インフルエンサー(フォロワー56万人超)など幅広く活動する。海外取材経験も豊富で、欧州家電メーカー本社や世界最大級の見本市「IFA」への造詣も深い。また、Z世代向けメディア運営やPR会社経営の傍ら、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏とのユニット「𝒾𝓃𝒞𝒶𝒹𝑒𝓃𝓏𝒶」で家電開発も手掛ける。機能とデザインの両面から、心地よい暮らしのあり方を提唱している。

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