「エボ3」っていっても三菱じゃない! 走行4503kmの“奇跡のE30型M3”を発見 36年前に登場した「スポーツエボリューション」とは
限定600台のホモロゲモデル
2026年7月8日にRMサザビーズが英国で開催する「ザ・ウッドコート・パーク・オークション」に、1990年式BMW「M3スポーツエボリューション」が出品されます。
初代E30型M3は、当時のグループAツーリングカーレースに参戦するためのホモロゲーション(認可)モデルとして1987年に誕生しました。
その後、レースでの競争力をさらに高めるため、FIA(国際自動車連盟)の規則変更に合わせて究極の進化を遂げたのが、このスポーツエボリューションです。
生産された600台のうち、100台はレース用シャシとして供給され、一般に渡ったロードカーはわずか500台という、極めて希少なバックボーンを持っています。
標準のE30型と共通する外装パーツは、ボンネット、ルーフ、ドアカードのみで、ワイドタイヤを収めるために大きく膨らんだブリスターフェンダーや、空力を追求した前後スポイラーなど、その姿はレーシングカーそのものです。
足回りには剛性を高めたスプリングや太いロールバーが組み込まれ、組み合わされる5速ゲトラグ製トランスミッションは、欧州仕様特有の「ドッグレッグ(1速が左下配置)」パターンを採用しています。
そして最大のハイライトは、エンジンフード下に収まる名機「S14」直列4気筒DOHCエンジンです。クランクシャフトやバルブの変更により、排気量は通常の2.3リッターから2.5リッターへと拡大され、最高出力235馬力を発生、最高速度は時速247km/hに達します。

M3わずか600台のみが限定生産された初代E30型M3スポーツエボリューション(通称エボ3)ですが、今回出品されるシャシ番号「WBSAK070X0AC79516」の個体の走行距離はわずか4503kmと新車同様。これほどのコンディションのモデルが市場に姿を現すのは、まさに奇跡的と言えます。
1990年2月20日に工場を出荷され、ドイツ・ハンブルクのディーラーへと納車されました。
ボディカラーはファクトリー純正のジェット・ブラック、内装もブラックのアンソラサイト・クロスで仕立てられています。
サンルーフや電動フロントウィンドウ、エアコンといった快適装備も備わっています。2000年代初頭にドイツからアジアへと輸出された後、現在のオーナーが約10年前に取得し、その後、英国へと渡り2024年に再登録されました。
英国到着後は、BMWの著名なスペシャリストである「ミュニニック・レジェンズ」で大規模な整備を受け、さらに2025年7月には、元F1エンジニアが創設したMパワーの権威「エブリシングM3s」によって、細部まで完璧な再始動整備が施されています。
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