列車の中で握りたてのお寿司が食べられる!? “手作り”感覚のおもてなしがうれしい 観光列車「べるもんた」とは
走る特等席で味わう、職人手握りの地魚と贅沢な「富山湾鮨」
この列車の最大の目玉は、なんといっても車内に寿司職人が乗車し、その場で寿司を握ってくれるフードサービスです。
「山側を走る城端線でお寿司?」と思うかもしれませんが、富山湾は「天然の生け簀」と呼ばれるほど新鮮な魚介類の宝庫。高岡で仕入れたばかりの極上のネタが車内に持ち込まれます。
今回予約したのは、名物の「ぷち富山湾鮨セット」。カウンターの向こうで職人さんが手際よくシャリとネタを合わせる姿を眺めているだけで、期待が高まります。
運ばれてきたのは、その日の朝に富山湾で揚がったばかりのキトキトな地魚5貫。窓を流れるのどかな田園風景や遠くの山々を眺めながら、富山の海の恵みを味わう。この絶妙な「山と海のシンクロ」こそが、城端線ルートならではの粋な贅沢です。
さらに沿線の地酒が楽しめる「ほろ酔いセット」を追加。城端線沿線には、立山連峰からの清らかな伏流水を使った名だたる酒蔵が多く、キレのある冷酒がお寿司の味をさらに引き立ててくれます。

※ ※ ※
終点の城端駅までの乗車時間は約50分。観光列車としては少し短く感じるかもしれませんが、車内では乗車記念のスタンプを押したり、ガイドさんによる沿線の歴史や散居集落の解説に耳を傾けたりしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
また地元の方々が駅や沿線から手を振ってくれる温かいおもてなしも、心に深く残りました。
終着の城端駅は、世界遺産「五箇山(ごかやま)の合掌造り集落」への玄関口であり、古い街並みが残る風情ある門前町です。駅前からは白川郷へと向かう世界遺産バスも運行されています。
べるもんたの旅は、単なる移動ではなく、富山の伝統、風景、そして美食を五感すべてで堪能させてくれる最高のプロローグでした。
いまではJRに限らず私鉄でも、高級感を前面に打ち出すインバウンドや富裕層向けの特別な列車が存在しています。そんななか、べるもんたは地元の人が手作りしたようなおもてなし感で、そういう列車とは一線を画しているのが特徴です。
指定席料金は530円。1時間に満たない列車での旅ですが、美味しい寿司を食べ地酒を飲み、とても満足感の高いひとときとなりました。
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