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落札予想は20億円超え!? 自動車史に輝く「もっともエレガントなスポーツカー」が登場 64年前に製造された幻の1台 右ハンドルの「DB4GTザガート」の価値とは

フェラーリに勝つために作られた19台のうちの1台

 2026年8月に開催するRMサザビーズ主催のモントレー・オークションに、1962年式アストンマーティン「DB4GTザガート」が出品される予定です。
 
 DB4GTザガートは、英国のエレガンスとイタリアの情熱が見事に融合した、自動車史においてもっとも美しく価値のあるスポーツカーの一台といわれています。

 1950年代後半、アストンマーティンはル・マン24時間レースを制するなどモータースポーツで黄金期を迎えていました。

 さらなる勝利を目指して開発された「DB4GT」でしたが、強敵フェラーリの背中は遠く、さらなる軽量化と空力性能の向上が急務となっていました。そこで白羽の矢が立ったのが、ミラノの名門カロッツェリア「ザガート」です。

 当時若干23歳だった天才デザイナー、エルコーレ・スパーダが描き出した造形は、筋肉質でありながらも官能的な美しさを湛えたファストバック・スタイルでした。

 さらにタデック・マレック設計の3.7リッター直列6気筒エンジンは314馬力にまでスープアップされ、宿敵フェラーリ「250GT」を凌駕するスペックを手に入れました。

オークションに出品予定の1962年式アストンマーティン「DB4GTザガート」Darin Schnabel(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1962年式アストンマーティン「DB4GTザガート」Darin Schnabel(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 わずか19台のみが製造されたこのモデルは、現在では市場にほとんど姿を現さない究極のコレクターズアイテムとなっています。

 今回RMサザビーズのモントレー・オークションに登場するシャシナンバー「0186/R」は、19台が作られたうちの14番目の個体であり、新車として唯一オーストラリアへデリバリーされた特別な1台です。

 1961年12月に完成したこの車両は、デザートホワイトのボディにレッドレザーの内装という仕様で、現地の実業家に納車されました。

 1962年シーズン、オーストラリアのモータースポーツシーンで華々しいデビューを飾ります。

 伝説的ドライバーのダグ・ホワイトフォードやイン・ギーガンの手により、GTハンディキャップレースやサウスパシフィックGT選手権などで次々と優勝を重ね、現地の主要自動車雑誌の表紙を飾るなど、一躍時代の寵児となりました。

 その後、レースレギュレーションの変更に伴い第一線からは退いたものの、幸運にも激しいクラッシュに巻き込まれることなく、貴重なオリジナルエンジンとザガート製のボディを無傷のまま後世へと残すことになりました。

 2000年代以降、この「0186/R」は世界最高峰のコンクール・ド・エレガンスで数々の栄誉に輝くことになります。

 現オーナーは2015年にこのクルマを譲り受けた後、歴史的正確性を極限まで追求するため、名門「ケビン・ケイ・レストレーションズ」による大規模な再修復を敢行しました。

 著名なアストンマーティン研究家の監修のもと、ネジ1本からウィンドウハンドルなどの細部パーツにいたるまで当時の仕様を忠実に再現。ボディは当時のワークスカラーである「サンクションII ワークス・グリーン」の美しいベアメタル塗装へと生まれ変わりました。

 その集大成となったのが、2019年の「ペブルビーチ・コンクール・ド・エレガンス」です。

 ザガート生誕100周年を記念したポストウォー(戦後)クラスで見事にクラス優勝を果たし、さらにもっともエレガントなクルマに贈られる「ヴィテス・エレガンス・トロフィー」を受賞。最高栄誉である「ベスト・オブ・ショウ」の最終候補4台にまで残るという快挙を成し遂げました。

 マッチングナンバーのエンジンを維持し、ほぼオリジナルのザガート製ボディを保ち続けているこの個体には、1200万ドルから1500万ドル(日本円で約19億4200万円から24億3000万円)という、まさに自動車の「聖杯」にふさわしい予想落札価格が提示されています。

Gallery 【画像】うわ、超カッコいい! イタリアと英国の技術が融合した64年前のアストン「DB4GTザガート」を見る(26枚)
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