世界最速を求めた昭和の名車 カワサキ「H2 マッハIV」を米国で発見 幻の“キングコブラ120”仕様にカスタムされた半世紀前の激レア車とは
著名チューナーの手で800cc・120馬力に強化された1974年式個体
今回オークションに登場した個体は、1974年9月に現在の所有者の兄弟がカリフォルニア州の正規ディーラーで購入し、家族内で引き継がれてきた車両です。

最大の特徴は、ホットバイクエンジニアリングのトニー・ニコシア氏の手により、「デンコ・キングコブラ120」と呼ばれるストリート&コンペティション仕様のモーターキットが組み込まれている点です。
シリンダーは800ccにボアアップされ、ヘッドのポート加工やカットが施されたほか、34ミリのミクニ製GPキャブレター、強化クラッチスプリング、デンコ製膨張室(チャンバー)が装着されています。
これにより、最高出力は標準仕様を大幅に上回る120psにまで引き上げられており、ニコシア氏による本物であることの証明書も付属します。
外観は2022年にリフレッシュ作業が行われ、グリーンをベースにライムグリーンのアクセントが施されたツートーンのカラーリングに再塗装されました。
ブラック塗装されたダブルクレードルフレームとの組み合わせにより、1970年代のカワサキらしい引き締まった印象を与えます。
足まわりには、フロント19インチ、リア18インチのクローム製ワイヤースポークホイールが装着され、ダンロップ製のタイヤが組み合わされています。
ブレーキシステムは、フロントにシングルディスクブレーキ、リアにドラムブレーキを採用して制動力を確保しています。
サスペンションは、前輪に正立テレスコピックフォーク、後輪にはスイングアーム式にプリロード調整機能付きのツインショックが装備されています。
また、ハンドル周りは、クローム仕上げのフラットなハンドルバーの奥に、時速140マイル(約225キロメートル)まで刻まれたスピードメーターと、7500rpmからレッドゾーンが始まるタコメーターが並びます。
シートは2人乗りに対応したブラックのビニール製シートであり、後方にはクロームのパッセンジャーグラブバーが備わっています。
走行距離は、2022年のレストア作業が完了してからの走行実積として、メーター上に342マイル(約550キロメートル)が表示されていますが、総走行距離は不明(TMU)として扱われています。
エンジン周りや分離給油式(オイルインジェクション)のシステム、キックスターターなどの状態は良好に維持されており、外観を含めてコレクションに適した仕上がりです。
なお、今回のオークションでの最終的な入札価格は2万2500ドル(約350万円)に達しましたが、出品者が設定していた最低落札価格(リザーブ)には届かず、今回は成約に至りませんでした。
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今回出品されたH2 マッハIVは、単なるビンテージバイクにとどまらず、当時のアメリカにおけるカスタムカルチャーやチューニングの歴史を体現した貴重な個体です。
徹底したエンジンチューニングとレストアがほどこされた個体が現在もオークションで活発に入札を集めている事実は、1970年代の2ストロークモデルに対する関心の高さを裏付けているといえます。
今回のオークションでは成約には至らなかったものの、著名なチューナーの手による歴史的な価値を含め、国内外のコレクターからの関心は今後も継続することが予想されます。
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