フェラーリ「F355」のV8を搭載する世界に1台のバイク「HF355」が約8000万円で売却! なぜ“走るアート”はここまで高価なのか?
50万ドル超は“バイクだけの価値”なのか?
では、この「HF355」は実際、どのような乗り味なのでしょうか。
400hpものパワーを持つV8バイクと聞けば、とても人間が普通に扱えるものには思えません。ところがヘイザン氏によれば、低速では意外なほど扱いやすいそうです。
もちろん、スロットルを大きく開ければ話は別。現代の高性能バイクで一般的になったトラクションコントロールなど、ライダーの操作へ積極的に介入する電子制御も備えてはいません。
約400hpとされるV8の力を、基本的にはライダー自身が受け止めなくてはならない、極めてアナログなマシンなのです。
そんな「HF355」が先日、50万ドルを超える価格で売却されたと報じられました。買い手の氏名や詳しい取引内容は明らかになっていませんが、カスタムバイクとしては驚くべき金額です。
では、その価格はどこから生まれるのでしょうか。単純に考えれば、フェラーリのV8エンジンを搭載していること自体に大きな希少価値があります。
しかし「HF355」の場合、それだけではありません。約18か月という時間をかけ、エンジンを中心に車体構造から駆動系、外装、電子制御までをイチから設計。しかも、多くの部品がヘイザン氏自らの手によって加工されたもので、同じものが量産されることもありません。
ここまでくると、価値の測り方は市販されるバイクとはかなり異なってきます。最高出力や最高速度にいくら支払うのか、ではなく、誰が、どのような発想で、どれだけの時間と技術を費やしてつくったのか、そうした“作家性”まで含めて価値が決まるのです。
実際、ヘイザン氏の作品は、カスタムバイクをアートや彫刻として収蔵する「Haas Moto Museum」のコレクションにも含まれています。
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