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なぜいま「歴史的な名車」が続々と復活!? 欧州メーカーで相次ぐレトロ回帰 未来のクルマづくりで、過去を振り返るのか

なぜ今、欧州メーカーは過去に戻るのか? 日本メーカーの行方は

 では、なぜ欧州メーカーはここまで過去のモデルや名称にこだわるのでしょうか。

2026年11月19日に日本上陸するルノー新型「5(サンク)」
2026年11月19日に日本上陸するルノー新型「5(サンク)」

大きな理由のひとつは、中国メーカーとの競争でしょう。

 BYDや吉利(Geely)をはじめとする中国メーカーは、EVの価格競争力やバッテリー技術、車載ソフトウェアなどで急速に存在感を高めています。

 欧州メーカーが価格や技術だけで競争しても、必ずしも優位性を保てるとは限りません。

 しかし、ルノー5やシトロエン2CV、フィアット・ムルティプラには、それぞれの国で長年親しまれてきた歴史があります。

 中国メーカーがどれほど優れたEVを開発しても、数十年にわたって人々の生活に寄り添ってきたモデルの記憶まで、すぐに手に入れることはできません。つまり、歴史そのものが競争力になるのです。

 もうひとつ見逃せないのが、EVのデザインが似通いやすくなっていることです。

 空気抵抗やバッテリー搭載、衝突安全性などの条件を満たしていくと、デザインの自由度には一定の制約が生まれます。そのなかで、ひと目でメーカーや車名が分かる個性的なデザインは大きな価値を持ちます。往年の名車の意匠を取り入れることは、差別化にも有効なのです。

※ ※ ※

 では、日本メーカーはどうでしょうか。もちろんホンダは「プレリュード」を24年ぶりに復活させ、トヨタはAE86をベースにしたBEVや水素エンジン車のコンセプトを披露しています。マツダも「ICONIC SP」というロータリーEVのコンセプトを発表しました。

 ただ、欧州メーカーのように、過去の大衆車をEVとして次々と復活させる動きは、まだ目立ちません。

 その背景には市場環境の違いもありそうです。欧州ではルノー5や2CVのように、国民の生活と密接に結びついた小型車が自動車文化を象徴する存在になっています。

 一方、日本では軽自動車やハイブリッド車が現在の生活に深く浸透しており、必ずしも過去の車名を復活させることが新しいクルマの魅力につながるとは限りません。

 今回の欧州メーカーの動きを、単なるレトロ趣味として片付けるのは早計でしょう。自動車が電動化され、ソフトウェアによって進化していく時代だからこそ、メーカーが何者であるのか、どんなクルマをつくってきたのかという物語が重要になっています。

 未来のクルマをつくるために、あえて過去を振り返る。2026年の欧州自動車業界では、そんな一見矛盾したような現象が起きているのです。

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