5分で分る! 歴代ゴルフ「GTI」の系譜とは? 「ゴルフR32」「ゴルフR」と何が違うか解説
初代「ゴルフ」から誕生した「GTI」の系譜を一気に紹介
「ゴルフVIII」のスポーツモデル、「ゴルフGTI」の日本での発売のニュースは、すでにお伝えしているところ。今回はそれに関連して歴代ゴルフGTIを振り返ってみよう。

フォルクスワーゲンはご存知のように、大衆車をつくる自動車メーカーとして生まれている。そしてそのイメージは、デビュー作である「タイプ1」、いわゆるビートルの世界的な大ヒットによって固定されたものとなった。
ドイツにはアメリカや英国、イタリア、フランス、日本などと同じように、自動車メーカーがたくさんある。その中で生き残っていくためには、さまざまな販売戦略が必要だ。タイプ1の発売から30年近く経過しているにも関わらず、大衆車メーカーというイメージが強かった1974年、フォルクスワーゲンはデビューしたばかりの「ゴルフ」をベースとした、スポーティバージョンを開発するという計画を立ち上げた。それが「ゴルフGTI」誕生のきっかけである。それでは各モデルの詳細を見ていこう。
●ゴルフGTI Mk1
1974年、フォルクスワーゲンのチーフ・プレス・オフィサーだったアントン・コンラッド氏を含むスタッフが、ゴルフのスポーティバージョンを開発する計画を立ち上げた。この計画、当初は上層部の承認を受けない、極秘計画としてスタートしている。しかしその動きは上層部も知るところとなり、当時の技術担当取締役ヘルマン・ハブリッツェル氏がこの計画を後押しした。初期に製作されたプロトタイプは、キャブレターを装備する100psエンジンを搭載するものだったそうだ。
1975年3月初旬、ハブリッツェル氏は経営委員会の会長であるトニ・シュミュッカー氏にスポーツゴルフのプロジェクトを正式に提案。経営委員会はこのプロジェクトにGOサインを出した。これによってスポーツゴルフプロジェクトは、開発番号EA195としてスタートすることとなる。ワールドプレミアは、同年9月のフランクフルトモーターショー。なんと、正式決定からわずか半年でつくり上げるという、ちょっと信じがたいスピードでの開発が進められることとなったのだ。
このEA195プロジェクトは、110psを発生する、機械式インジェクションを装備したエンジンを搭載したモデルとして完成する。当初、このスポーツゴルフには名前がなく、「TS」や「GTS」というアイディアもあったそうだが、最終的に選ばれたのが、いまも続くGTIというネーミングだった。同時に、ゴルフ好きだったチーフデザイナーのヘルベルト・シェーファー氏が、シフトノブにゴルフボールを取り付け、それが初代GTIのアイコンとなった。
フランクフルトモーターショーでの発表、そして1976年の発売後、ゴルフGTIは爆発的といっていい人気を得た。当初は開発経費と生産設備の償却ができる5000台限定の特別仕様車とする予定だったそうだが、最終的にこのモデルは46万1690台を販売している。
新車価格は1万3850マルク(当時のレートを約118円としたときの換算で160万円強)。出力的には、特別仕様車である「ピレリGTI」が112psを発生し、これがゴルフGTI Mk1のトップグレードとなっている。
●ゴルフGTI Mk2
大ヒット作となった初代ゴルフから、正常進化となるキープコンセプトで開発された「ゴルフII」のGTIは1984年に発売された。
発売当時のエンジン出力は112ps。しかし排気ガス規制の強化から、触媒の装備が義務づけられ、最高出力が107psにダウンした。そこでフォルクスワーゲンは、1986年に129psを発生する新型の16バルブエンジンを搭載。1990年にはスーパーチャージャー付き160psエンジンを搭載した「ゴルフGTI G60」を発売した。
●ゴルフGTI Mk3
丸みを帯びたボディデザインとなった「ゴルフIII」。GTIは1991年に発売されている。当初のエンジンは115psだったが、1年後に新型エンジンを搭載し、パワーも150psへと向上している。さらに1996年にはGTIとしては初となる、ディーゼルターボエンジンTDIを搭載したGTDが登場。のちにこのGTDは、GTIへと統合されることとなる。また同じ1996年、GTI誕生20周年記念モデルも発売されている。
●ゴルフGTI Mk4
1998年に登場した「ゴルフIV」のGTIは、フロントグリルの赤ストライプがない唯一のモデルとなる。搭載されたエンジンは、アウディが開発した5バルブヘッドを持つ1.8リッターターボとなり、最高出力は150psを発生。また、挟角V型5気筒エンジンを搭載したモデルもあり、こちらは170psを発生していた。
このゴルフIVで注目すべきは、3.2リッターエンジンを搭載した、「ゴルフR32」というホットモデルがバリエーションとして登場したということだろう。それまでGTIは、ゴルフ唯一のスポーツモデルであったわけだが、R32の登場で出力面においてはセカンドグレード的な位置づけとなっている。
とはいえ、フロントが重く、サーキットのような整備された路面ではともかく、ストリート走行では足が硬くフルタイム4WDであるR32と比べると思ったとおりに動くGTIのスポーツ性は、かわらず高いレベルにあった。
2001年に発売された、GTI誕生25周年記念車「25years of GTI」で、1.8リッターターボエンジンは180psへとパワーアップされている。
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