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EV化を見据えたマセラティ「MC20」の戦略とは? 京都までの長距離ドライブで分かった実力

「MC20」を京都までのグランドツーリングで試して分かったこととは

 果たしてそれは杞憂だった。2シーターのミドシップスポーツカーとは思えないほど、上質なGTだ。落ち着きのあるフロントアクスルとしっかり粘るリアアクスル、さらにカーボンボディとの一体感や滑らかな乗り心地が、安心安定の高速走行を生み出している。何よりエンジンが拍子抜けするほど静か。ドライブモードをGTもしくはウェットにさえしておけば、630psを誇る海神(ネプチューン)も惰眠を貪ってくれている。ラウドなサウンドは意外に疲れるもの。エンジン音が寝息ほどに静かに心地よければ、長距離ドライブも安楽だ。

カーボンモノコックボディを採用、徹底的な軽量化により車両重量は1500kg以下となる(C)タナカヒデヒロ
カーボンモノコックボディを採用、徹底的な軽量化により車両重量は1500kg以下となる(C)タナカヒデヒロ

●ダラーラが協力したカーボンモノコックボディ

 軽い車体と硬いボディ、それゆえよく働くアシは高速クルージングにも、また市中のドライブにも有効だ。常にクルマが自由になっているという実感が、ドライバーに自信と余裕を与えてくれる。低さと幅広さは狭い京都の街中では気を遣ったが、それでもタイトな着心地のクルマゆえ面倒に思うまでには至らない。

 もちろん、MC20の真骨頂はスポーツドライビングだ。いつものワインディングロードに出かけてみれば、水を得た魚、どころか水そのものになったかのよう。流れるようなドライビングスタイルをいつの間に手に入れたのだろうか、と自分を褒めそうになってしまう。

 スポーツモードにスイッチすれば、穴という穴から火を噴き出す海神さながらに爆音を響かせ、のけぞるような加速と電光石火かつダイレクトな変速をみせる。ステアリングフィールもまたダイレクトかつソリッド。前輪はハンドルを通じて両腕と直につながっているかのようだ。トラクション性能も抜群で、一般道レベルであればどんなコーナーでも安心して踏んでいけた。もちろんブレーキフィールは安心と正確さという点でロードカーの最高レベル。

 と、そこで思わず膝を打つ。同じような乗り味のクルマを思い出したのだ。それは「ダラーラ・ストラダーレ」。カーボンモノコックボディを持つミドシップの本格スポーツカー。街中での乗り心地は「5シリーズMスポーツ」並みで、サーキットパフォーマンスは超一流。なるほどダラーラが開発に協力したというMC20は、性能をさらに引き上げロードカーとしての機能により磨きをかけた上等なダラーラ・ストラダーレなのだった。

●MASERATI MC20
マセラティMC20
・車両価格(消費税込):2644万円
・全長:4669mm
・全幅:2178mm
・全高:1224mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:1500kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHCターボ
・排気量:3000cc
・エンジン配置:リアミッドシップ
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:630ps/7500rpm
・最大トルク:730Nm/3000−5750rpm
・0-100km/h:2.9秒以下
・最高速度:325km/h以上
・公称燃費(WLTC):8.6km/L
・ラゲッジ容量:50L(フロント)、100L(リア)
・燃料タンク容量:60L
・タイヤ:(前)245/35R20、(後)305/30R20

Gallery 【画像】マセラティの新時代を飾るスーパースポーツ「MC20」を見る(10枚)
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