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ホンダ新型「シビック」の本命は走りが爽快! 新ハイブリッドの革新はエンジン車のような演出にあり

ドライバーを高揚させるエンジンの“演出”

 話を元に戻そう。シビックハイブリッドのアクセルペダルを踏み込んだ際、エンジン車かと錯覚した理由はどこにあるのか? それはエンジンの“演出”に理由がある。

進化したメカニズムとこだわりの演出で走行性能とドライビングプレジャーを突き詰めたホンダ新型シビックe:HEV
進化したメカニズムとこだわりの演出で走行性能とドライビングプレジャーを突き詰めたホンダ新型シビックe:HEV

 従来、ホンダのe:HEVは、エンジンの存在を可能な限り消そうとしていた。そのため加速フィールは、どこまでもシームレスに伸びていく電気自動車のようであり、エンジン車でいうCVTのような感覚だった。

 ところが、新しいシビックハイブリッドはまったく違う。アクセルペダルを踏み込んだ際にはドライバーへエンジン音を聞かせるとともに、シフトアップ制御を採用することで、まるでシフトアップしているかのような演出を盛り込んでいる。これにより、加速感とエンジン音とをシンクロさせ、ドライバーが心地よくドライブできるようにしているのだ。

 この“シフトアップ感”は、エンジン音、そしてタコメーター風に動く“パワーメーター”によるもの。もちろん、本当にシフトアップしているわけではいが、演出としては非常に面白い。一方、ギミックは相当凝っていて、パワーメーターの針が振り切れるのと同時に、瞬間的に燃料をカットしてエンジン回転数を落とし、MT車でシフトアップする際の感覚を疑似的に生み出しているのだ。さらに走行モードを「スポーツ」にすると、そこに電子音も加わって、ひときわエンジン音が強調される。

 ちなみに、この疑似的なシフトアップは本当のシフトアップとは異なり、加速Gに変化はなく、ドライバーや同乗者に“シフトショック”が伝わることはない。あくまでもドライバーを楽しませるための演出なのだ。

 もちろん効率を考えると、一瞬、エンジン回転数を落とすのはムダである。しかし「走る歓びを提供したい」、「運転の楽しさを感じてほしい」という気持ちが強い開発陣は、あえてこうした制御を取り入れたという。効率を重視し、エンジンの存在感をなくした従来の味つけから、ドライバビリティを高めるべく、エンジン車のようなフィールへと反転させた点が、新しいe:HEV最大のポイントといえる。

●“ハイブリッドカーとしては”なんてエクスキューズは不要

 楽しいといえば、新しいシビックハイブリッドのハンドリングは、爽快でホンダらしさを感じさせるものだった。

 操舵力は軽いものの、ステアフィールは軽快かつリニアリティが高く、変なクセなどなくドライバーが思ったとおりに曲がっていく。また、コーナリング中は安定感が高く、ステアリングの舵角を切り足すとクルマがしっかり応えてくれて、ググッと曲がり込んでいく。このときの感覚は、まるでよくできたスポーツカーのよう。走りの楽しさに関しては“ハイブリッドカーとしては”なんてエクスキューズは一切不要だ。正直、ハイブリッドカーでこれほどまでにドライビングを楽しめるとは予想外だった。

 そして新しいシビックハイブリッドには、もうひとつ予想外のことがあった。それは乗り心地だ。先行発売されたエンジン仕様比べて、明らかに乗り心地がいいのである。

 それは、とくにリアシートに座ってみるとよくわかる。エンジン車ではドンと突き上げられるような路面からの衝撃も、ハイブリッド仕様はしっかり吸収し、それらを乗員まで伝えてこないケースが多々あったのだ。これは、エンジン車に対してリアのショックアブソーバーの減衰力を落とすといったサスペンションの変更に加え、ハイブリッド仕様のために専用開発されたタイヤ(ミシュラン「パイロットスポーツ4」)の特性などが効いている。

* * *

 これまでハイブリッド車というと、燃費性能だけを追求したモデルと思われがちだった。しかし、新しいシビックハイブリッドは、燃費はもちろんのこと、全開加速性能や音と加速フィールの一体感、乗り心地、ハンドリング性能や高速安定性に至るまで、走りに関する性能とフィーリングが突き詰められている。ハイブリッド化によるネガがないどころか、エンジン車に対して全方位的に走りの性能が高められているのである。

 新しいシビックハイブリッドの走りは、文句なしに一級品だ。愛車でドライビングを楽しみたいドライバーに、まさにうってつけのハイブリッド車といえるだろう。

●Honda Civic e:HEV
ホンダ シビック e:HEV
・車両価格(消費税込):394万200円
・全長:4550mm
・全幅:1800mm
・全高:1415mm
・ホイールベース:2735mm
・車両重量:1460kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHC
・排気量:1993cc
・駆動方式:FWD
・エンジン最高出力:141ps/6000rpm
・エンジン最大トルク:182Nm/4500rpm
・モーター最高出力:184ps/5000〜6000rpm
・モーター最大トルク:315Nm/0〜2000rpm
・燃料消費率(WLTC):24.2km/L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)235/40R18、(後)235/40R18

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