「OKグーグル」で様々な機能を操作可能! ボルボのグーグル搭載インフォシステムって何? アンドロイドオートとどう違う?
Googleとボルボが共同で開発した「Android Automotive OS」を採用
ドライブ中のさまざまな機能を担うインフォテイメントシステムが大きく変わろうとしています。
ボルボは2021年9月、2022年モデルのXC60に搭載するインフォテイメントシステムのOSにGoogleを採用して登場させたのです。今までのシステムとはどう違うのか。そのポイントを解説します。
2022年型の「XC60」は、外観でモールの追加など若干の変更があったものの、パワートレーンは従来を継承するなど、小変更にとどまりました。
世界最高水準にあるADAS機能についても、前車発進警告の追加やセーフティブレーキの対応範囲を自転車などの横切りにも対応できるようになったのが目立つ程度です。
一方で大きく変貌したのがインフォテイメントシステムでした。
なんと、システムのOSにGoogleとボルボが共同で開発した「Android Automotive OS」を採用したのです。
これはボルボが2017年5月に、ボルボとGoogleが次世代コネクテッドカー技術開発で提携したことに始まります。この時、ボルボは2年以内に対応車を発売するとしていましたが、このXC60でついに対応を果たしたというわけです。
ここで不思議に思う人がいるかもしれません。ボルボはこれまでもインフォテイメントシステム「Sensus Connect」で、Googleの「Android Auto」への対応を果たしていたからです。
ただ、今回採用した「Android Automotive OS」と「Android Auto」は、機能がまったく異なるものです。
Android Autoは単にスマートフォン内のアプリを車載システムで使えるようにするアプリであって、そのOSはスマホ側に依存します。それがXC60では、インフォテイメントシステムそのものをGoogleと共同開発したAndroidとしているのです。
つまり、インフォテイメントシステムそのものをスマホ化したと言えばわかりやすいのかもしれません。
すでにGoogleのサービスは広く生活に浸透していて、クルマに乗っているときも離れたときもアプリひとつでさまざまな利便性を実現するまでになっています。
具体的にはインフォテイメントシステム内でGoogleマップやGoogleアシスタントが利用でき、これらを含めたアプリやサービスが走行中であっても音声で操作可能となっているのです。
これはまさに、何よりも安全性を重視するボルボにとって採用すべき手法だったとも言えます。
操作はまず「OK、Google」と話しかけることから始まります。ドライバーはステアリングから手を離すことなく、運転に集中したまま、音楽の再生やGoogleマップの目的地設定のほか、エアコンの温度調整などが音声でコントロールできます。しかもスマホのようにGoogle Playでアプリを追加すれば、どんどん機能アップしていくことができるのです。
また、Googleアカウントを共有することで、インフォテイメントシステムにパーソナルな情報が常に反映できるようにもなります。その中心にあるのがGoogleアシスタントで、これを使うことでドライバーは音声操作によって、走行中でもリマインダーやアラームの設定、スケジュール管理、調べ物ができ、ナビゲーションの目的地もそれにあわせてた設定が可能となるのです。これにより、クルマとより近しい関係を築き上げようというわけです。
ボルボは将来的にすべてのGoogleアシスタント対応デバイスとつながることを目指していると言います。
その中で見逃せないのが、外出先からのスマートホーム・デバイスなどの操作を実現することです。自宅でGoogle Homeを使っている人なら、ステアリング右にある音声操作ボタンを押して、「OKグーグル」→「エアコンをつけて/消して」といった操作が可能になるのです。冬の寒い日にあらかじめ車内を暖めておいたり、ドアのロック/アンロックなども遠隔で操作できることも想定しているのです。
page
- 1
- 2