見た目から走りのスゴさを予感! ポルシェ新型「911 GT3 RS」は迷わずアクセルを踏める“公道を走れるレースカー”
いまや希有な高回転・高出力型の大排気量自然吸気エンジン
シルバーストーンサーキットのグランプリコースを走るのは生まれて初めてのことだったが、冒頭に書いたように新しい911 GT3 RSは、サーキットで思い切りアクセルを踏めるマシンに仕上がっていた。

とはいえ、運転が簡単だというわけではなく、限界がきわめて高く、しかもクルマからのインフォメーションが濃密でコントロール性に余裕があるおかげで、気づけばどんどんアクセルを踏み込むのが早く、そして深くなっていくのだ。
実際、3.2秒という0-100km/h加速タイムは、十分に速いがしかし、いまや驚くほどではないともいえる。しかしながら、911 GT3 RSはすさまじいトラクションのおかげでコーナー立ち上がりでもどんどん踏んでいけるし、そうすると9000rpmまで回る自然吸気フラットシックスがまるでレーシングマシンのような迫力のサウンドで鼓舞してくるから、ますます右足に力が入り、次のコーナーへの到達速度は自ずと高くなる。
そこでブレーキングとなるわけだが、ここにも驚きがあった。何しろ“効く”のである。思い切りタイミングを遅らせたつもりでも、最初はコースを余らせてしまったほど。ブレーキングは、自分のこれまでの市販車の走りのイメージよりも相当ガマンしてから踏み込むくらいでちょうどいい。しかも、ダウンフォースがあるので初期から思い切り踏力をかけるのだ。実際、ル・マンなどのレースを走る「911 RSR」とブレーキングポイントはいっしょだと聞いて、呆然としてしまった。
コーナリングはシャープだがコントロール性に優れ、唐突な挙動とは無縁。電子制御ダンパーやPTVのセットアップを切り替えれば、より好みに近い特性に近づけることもできるだろうし、タイヤがタレてきた、雨が降ってきたというときでもピットに入らずセットアップを変更できるのは、たとえばニュルブルクリンクのような距離の長いコースでは非常に有用に違いない。今回は時間がなくそれらを試せなかったのがちょっと心残りである。
いやいや、それをいうのは贅沢というものだろう。この日、刺激にあふれたスポーツドライビングの時間を存分に楽しんだことは間違いない。パワーを持て余してアクセルを踏み込めないまま終わるのではなく、とにかく踏んでいける歓び。しかも、そのエンジンはいまや絶滅危惧種ともいえる9000rpmまで回る高回転・高出力型の大排気量自然吸気ユニットなのである。まさに、歴代911 GT3 RSが追求してきた世界の究極の姿として登場したのが、新型911 GT3 RSだといえそうだ。
* * *
センターラジエーターの採用でフロントのラゲッジスペースはなくなってしまい、ロールケージのおかげでキャビン後半部も荷物置きに使うのは難しい。レーシングギアを一体どこにしまおうか? などと思ったりもするが、幸運にもこのクルマを手に入れることができた方には、ぜひサーキットでアクセルを踏み込んでほしいと切に思う。
●Porsche 911 GT3 RS
ポルシェ 911 GT3 RS
・車両価格(消費税込):3134万円
・全長:4572mm
・全幅:1900mm
・全高:1322mm
・ホイールベース:2457mm
・車両重量:1450kg
・エンジン形式:水平対向6気筒DOHC
・排気量:3996cc
・変速機:7速AT(デュアルクラッチ式)
・最高出力:525ps/8500rpm
・最大トルク:465Nm/6300rpm
・駆動方式:RR
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)275/30ZR20、(後)335/30ZR21
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