システム出力323馬力の「国産最速PHEV」マツダ「CX-60PHEV」は絶妙な重量配分で峠道でも軽快
ライバルの逆を行くエンジンの存在感満点のPHEV
そんなCX-60 PHEVを国産ライバルと比較してユニークなのは、アウトランダーやRAV4、そしてトヨタ「ハリアー」やレクサス「NX」のPHEVとはかなり方向性が異なることだ。

CX-60以外のPHEVは、モーター感を強調した走行フィールが印象的。なかでもアウトランダーはエンジンが始動してもそれを気づかせないほどモーター感が強調されている。
それに対し、CX-60はエンジンを止めたまま走る「EVモード」でこそモーター駆動車だなと実感させられるが、エンジンが始動した状態だと、エンジンの存在感がとても強い。その理由は、エンジンとモーターを同軸上に配置するシステムの構造にも由来するが、フィーリング的には走りにこだわる欧州勢のPHEVにとても似ている。
それは、トヨタ「クラウン・クロスオーバー」の「RS」系グレードやレクサス「RX500h “Fスポーツ パフォーマンス”」、さらに、先ごろ生産が終了した日産「スカイライン」のハイブリッド車に近い感覚だ。エンジンの息づかいを感じられるとともに、「あくまでエンジンが主役」と訴えるかのごとく、エンジンが回ってからパワーが出て盛り上がるような特性になっている。
自然な加速フィールとコントロール性を重視した結果、発進や中間加速時にアクセルをグイッと踏みつけても急激にトルクが立ち上がることはないが、ジワリとアクセルを踏み込んだ際にドライバーの右足と加速感とがシンクロするようなフィーリングはCX-60 PHEVの美点。あたかも、モーターではなく高出力のガソリンエンジンを積んだかのような走り味を創造している。

そんなCX-60 PHEVの走りの真骨頂は、なんといってもワインディングロードを駆け抜ける際の優れた運動性能だ。
ハンドルを切ると大きく重いボディがスッと自然に向きを変え、まるでレールの上を走っているかのように外側へふくらむことなく安定してコーナーをクリアしていく。ひたすらドライバーの操作に忠実なハンドリングで、アクセルを踏み込むほどに盛り上がるパワートレインと相まって、どこまでも運転していきたくなる走り味に仕上がっていた。CX-60 PHEVの真価を味わいたければ、ぜひ一度、ワインディングロードをドライブしてみて欲しい。
ちなみに、こうした楽しいハンドリングを生み出す原動力について、「後輪駆動ベースだから」と考える人も多いだろう。確かにそれも大きな要因のひとつだが、筆者は重量配分が適切だからと見る。
実際、ボンネットフードを開けてエンジンルームを眺めると、CX-60 PHEVはエンジンがキャビンの方に寄せた搭載されたフロントミッドシップ・レイアウトを採用していることがわかる。エンジンの搭載位置は完全に前輪中央よりも後方だ。
その結果、前後重量配分はフロント側1060kg、リア側1030kgとほぼイーブン。この理想的な数値が俊敏なハンドリングに効いているのだ。
* * *
PHEVというと、多くの人はモーターで走行する乗り味をイメージすることだろう。だが、それとは逆をいく“エンジンの存在感満点”のモデルも存在する。まさにCX-60 PHEVは、クルマ好きにとって魅力的なPHEVといえそうだ。
●Mazda CX-60 PHEV Premium Sports
マツダ CX-60 PHEV プレミアムスポーツ
・車両価格(消費税込):576万5000円
・全長:4740mm
・全幅:1890mm
・全高:1685mm
・ホイールベース:2870mm
・車両重量:2090kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHC+モーター
・排気量:2488cc
・変速機:8速AT
・エンジン最高出力:188ps/6000rpm
・エンジン最大トルク:250Nm/4000rpm
・モーター最高出力:175ps/5500rpm
・モーター最大トルク:270Nm/400rpm
・駆動方式:4WD
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)235/50R20、(後)235/50R20
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