V12エンジン搭載“フェラーリ初の4ドア”「プロサングエ」は内外装の仕立ても走りも驚愕の完成度
スポーツカーに匹敵する理想的な前後重量配分
プロサングエの車体は、アルミニウムを基本に高強度スチールなどを組み合わせたもので、ルーフパネルには中間層に防音素材を挟み込みながらもアルミ製より約20%軽く仕上がったというCFRPを用いる。新しい構造により、シャシーは従来の2+2モデルよりも軽く、しかも高い剛性を確保したとされる。

エンジンは前述のとおりV型12気筒で、排気量6.5リッターの自然吸気である。最高出力725ps/7750rpm、最大トルク716Nm/6250rpmというアウトプットは、エンジン前方に置かれたPTU(パワー トランスファー ユニット)により前輪に、そして、トランスアクスルレイアウトのデュアルクラッチ式8速ATを介して後輪へと伝達される。
シャシーの目玉は“フェラーリ・アクティブ・サスペンション・システム”。これは各輪のライドハイトを電気モーターによって個別に制御するもので、単に車高を調整できるだけでなく、ロールやピッチングといった挙動の抑制も可能になる。これに減衰力の可変機構、後輪操舵、eデフ、ブレーキ・バイ・ワイヤシステムなどさまざまなシステムが統合制御されていて、快適性と高いパフォーマンスを実現する。
実際にステアリングを握って、まずうならされたのが、軽快なそのハンドリングだ。操舵に対して軽やかに向きが変わり、車高の高さも、乾燥重量で2033kgというから実際には2.2〜2.3トンはあるだろう車重も、掛け値なしに全く意識させないのには本当に驚いた。
トランスアクスルレイアウト、後輪操舵、eデフ……あらゆるアイテムが見事に連携しあって、一体感ある走りとして結実している。目線は高めだが両足を前に投げ出すようなドライビングポジションも含めて、操縦感覚はまさしくフェラーリだ。
乗り心地も上々である。何よりロールやピッチングといった姿勢変化が抑えられていて、フラットライドを保ち続けるのが好ましい。これぞアクティブサスペンションの威力だろう。後席も試したが、おかげで非常に快適に過ごすことができたのだ。
V12ユニットは2100rpmで最大トルクの80%を発生させる柔軟性に富んだ特性で、特に中間加速が心地いい。自然吸気らしいダイレクトなレスポンス、ギア比の刻まれたデュアルクラッチ式8速ATの恩恵もあって、加速もやはり軽やかだ。
そしていざ右足に力を込めれば、8250rpmからのレッドゾーン手前までよどみなく一気に回り切るのだからたまらない。何やらありがたいものに触れている、そんな気持ちにさせられるエンジンはほかにはそうはないだろう。

走行モードを自在に変更できる“マネッティーノ”には、新たに各モードでダンパー減衰力だけ個別に調整できる機能が追加された。つまり、「SPORT」モードでもダンパーだけ「MEDIUM」にセットする、といったことができるのだ。
先進運転支援機能もかつてないほどに充実。よってリラックスした走りも楽しめる辺りは、他の跳ね馬とは一線を画すところかもしれない。なお、オーディオは初の採用となるドイツ・ブルメスター製。その豊かな音色を楽しみながらのドライブも悪くない。
優れた居住性や使い勝手を実現する一方で、新技術をうまく活用してフェラーリ“らしさ”をむしろより高い次元で表現して見せたプロサングエ。いやはや、さすがというほかない、今回はフェラーリブランドの圧倒的な実力を見せつけられる試乗となった。
●Ferrari Purosangue
フェラーリ プロサングエ
・車両価格(消費税込):4760万円
・全長:4973mm
・全幅:2028mm
・全高:1589mm
・ホイールベース:3018mm
・車両重量:2033kg
・エンジン形式:V型12気筒DOHC
・排気量:6496cc
・変速機:8速AT(デュアルクラッチ式)
・最高出力:725ps/7750rpm
・最大トルク:716Nm/6250rpm
・駆動方式:4WD
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)ダブルウイッシュボーン式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)255/35R22、(後)315/30R23
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