680馬力を発生するアストンマーティン新型「DB12」はいかに進化した? 「スーパースポーツカーの勢力図」を変えそうな意欲作のスゴさとは
機能から導かれた迫力満点のデザイン
アストンマーティンが“次世代スポーツカーの第1弾”と銘打つ最新作「DB12」を発表したのは、2023年5月24日の夜11時1分。場所はフランスのカンヌでした。
驚いたのは、それからわずか数時間後の5月25日午後に、日本での発表がおこなわれたことです。アストンマーティンにとって日本がいかに大事なマーケットか、伝わってきますよね。

謳われているのは“世界初のスーパーツアラー”。そこに込められているのは、従来のグランドツアラーの枠を飛び越えた、圧倒的なパフォーマンスを持つGTスポーツカーだということでしょうか。確かに従来モデルである「DB11」に対するその進化ぶりは、相当なものがあるといえそうです。
まず強烈なインパクトを放つのが、そのルックスです。ヘッドライトには6つのブロックで構成された新意匠のデイタイムライトが備わり、ラジエーター開口部がほぼ5割増に大きくなり、表情は俄然、アグレッシブになりました。トレッドも拡大され、タイヤも従来の20インチから21インチへと拡大。マッシブな印象を強めています。
これらは単なるデザインの変更ではなく、機能に即したもの。ボンネットフード内に収まる4リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、カムプロファイルの変更、圧縮比の最適化、大容量ターボチャージャーの採用などによって最高出力680ps、最大トルク800Nmというスペックを得ています。DB11のV8モデルが510ps、675Nmだったと聞けば、そのエクストラの大きさが伝わるでしょうか。
これだけパワーが増強されれば冷却性能の強化は必須ということで、ラジエターはメインのほかに補助のものがふたつ取りつけられました。さらに、適切な吸気温度に保つため、冷却水回路に“ローテンプラジエター”を追加。エンジンオイルクーラーも容量が拡大されるなど、設計が完全に見直されています。まさに、機能から導かれたデザインだからこその、リアルな迫力というわけです。
このエンジンパワーは、8速AT、そして「DB」シリーズでは初採用という“E-デフ”を介して後輪に伝達されます。最終減速比は低く設定され、シフト時間も短縮。あらゆる箇所にパフォーマンスアップのための手が入れられているのです。
無論、車体そしてシャシーについても同様です。接着アルミニウム構造のプラットフォームはねじり剛性を7%向上させており、サスペンションには減衰力の制御領域を大幅に拡大した“インテリジェントアダプティブダンパー”を採用。アンチロールバー、ブッシュ、電動パワーステアリングの制御、ブレーキ等々、すべてに見直しが図られています。
前述のとおり21インチのタイヤは最新のミシュラン「パイロットスポーツS5」で、サイドウォールの“AML”のコードが示すとおり、アストンマーティンのために開発された専用品です。これは優れたグリップ力を発揮するだけでなく、“ノイズキャンセリング ポリウレタン フォームインサート”によって騒音を低減し、快適性をも高めています。また、ホイールはサイズアップにも関わらず軽量化を達成。これもまた走りと乗り心地に貢献するポイントです。
そしてインテリア。こちらも全面的に刷新されています。ダッシュボードは水平基調のデザインとされ、これまでメルセデス・ベンツから供給されていたインフォテインメントシステムがついに自社開発の、ピュアブラック高解像度タッチスクリーンを用いたものへと改められました。従来のものも機能的に不満はなかったのですが、メルセデスのユーザーからしてみると興ざめの部分もあっただけに、この変更は「ついに!」という印象です。
クラフトマンシップも申し分ありません。英国の老舗・Bridge of Weirが手がけたレザーはいかにも贅沢な質感で、新しいキルティングパターンも美しい仕上がり。オーディオはこれまでのBang & Olufsenに代わって、新たにBowers & Wilkinsが採用されています。
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