680馬力を発生するアストンマーティン新型「DB12」はいかに進化した? 「スーパースポーツカーの勢力図」を変えそうな意欲作のスゴさとは
スーパースポーツカー界の勢力図が変わる予感
とはいいつつも、こうした電子制御だけが優れた安定性の要因というわけではありません。やはり基本性能の大幅な底上げこそが、一番効いているのは間違いないでしょう。

実は走行モードを「SPORT+」に入れ、しかもESPをオフにしたままウエットのコーナーに進入してしまったことがあったのですが、そんなときにもDB12はきれいにスライドしながら決して唐突な動きに陥ることなく、適度なカウンターステアで楽しく立ち上がっていくことができたのです。ちゃんとドライバーが操る余地も残していることに、うれしくなってしまいました。
正直にいうと、かつてのアストンマーティンは上品な見た目とは裏腹に結構ワイルドな走りのクルマで、それが楽しいときもあれば、ちょっと操りにくいなと思わせることも多々ありました。それがここ数年……先代「DB11ヴォランテ」が出た辺りからだと思っていますが……レベルアップ著しいと感じていたのですが、DB12はそこからさらに、何段階も跳躍してみせた、正直、そんな風に感じます。
* * *
皆さんもご存知のとおり、アストンマーティンは2023年、F1でも絶好調。ローレンス・ストロール エグゼクティブチェアマンが経営参画して以降、積極的な投資と大胆な目標設定でチームを進化させてきたわけですが、ロードカービジネスについてもやはり同じことが起きていると見ていいでしょう。
すべてが改められたわけではなく、これまでエンジニアたちがやりたくてもできなかったことが、しっかり実現できる体制となったことで、持ち味を活かしながら大幅なアップグレードを実現したというわけです。
この後、続いて「ヴァンテージ」、「DBS」といった他の基幹車種についても大改良が施されるというアストンマーティン。まさしく“スーパーツアラー”の名がふさわしいDB12のうならされるほどの完成度を見た後では、その進化が楽しみでしかありません。今回の試乗は、まさにスーパースポーツカー界隈の勢力図が変わってきそうだと感じるほどの衝撃を受けるものとなったのです。
●Aston Martin DB12
アストンマーティン DB12
・車両価格(消費税込):2990万円
・全長:4725mm
・全幅:2060mm
・全高:1295mm
・ホイールベース:2805mm
・車両重量:1685kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCターボ
・排気量:3982cc
・変速機:8速AT
・最高出力:680ps/6000rpm
・最大トルク:800Nm/2750〜6000rpm
・駆動方式:RWD
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)275/35R21、(後)325/30R21
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