メルセデスAMGでは初となる“超ハイパフォーマンス電動SUV”「EQE53 SUV」の走りは強烈? 687馬力の強心臓は乗りこなせるのか
AMGが手を尽くしたと感じられる乗り味とは
パワートレイン以外の部分に関しては、内燃機関モデルと同様の手が加えられています。具体的には、内外装の専用意匠とスポーティなサスペンションのセッティングです。

最近のAMGは、これみよがしなスポイラーや加飾は避け、「なんとなくノーマルとは違う」くらいのエクステリアにとどめているのが特徴です。特に、EQE SUVは元々、空力に重きを置いたデザインになっているので、それを損なわない範囲としています。
ダッシュボードを1枚ガラスで覆った“MBUXハイパースクリーン”はオプションですが、シートやトリムなどはAMG専用となっています。
サスペンションは、ノーマルのエアサスに“AMGライドコントロール”と呼ばれる専用セッティングを施したものに変更。さらに、EQシリーズには初めて、“アクティブスタビライザー”が装着されました。
これは、全高と重心が高いSUVでも、コーナリング時のボディの傾きを抑える効果があります。通常はバネを硬くして同じ効果を得ようとしますが、これだと乗り心地が悪くなってしまうため、電動式のスタビライザーをあえて採用したそうです。
実際にEQE53 4マチック+ SUVをドライブしてみると、AMGモデルにしては乗り心地がいいことにすぐ気づきます。
ガチガチに固められたサスペンション、という印象は全くなく、ノーマルよりも足元が少し引き締まったくらいのレベルです。
一方、ハンドリングはAMGらしいもの。挙動変化が少なく4輪の接地性も高いので、コーナリングスピードはかなり速いです。それでも、安心してステアリングを握っていられるだけの安定性が感じられるのは、AMGらしいというよりもメルセデスらしい味つけといえるでしょう。
今回の試乗車はAMGダイナミックプラスパッケージ装着車だったので687ps、1000Nmのパワーを扱わなければならず、ちょっと身構えて「コンフォート」モードでスタートしました。
ところが法定速度を普通に走行する限りでは、加速感などはノーマルのEQE SUVとほとんど変わりません。というのも、ドライブモードによってパワーが制限されているからです。「スリッパリー」では50%、「コンフォート」は80%、「スポーツ」は90%、そして「スポーツ+」でようやく100%の出力を発揮します。
なお、687ps、1000Nmという強大なパワー&トルクは、いわゆるローンチコントロールモードでモーターをブースト的に使う約10秒間だけ、瞬間的に引き出せる数値となっています。
これまでAMGといえば、迫力あるエンジン音も魅力のひとつでした。エンジンを持たないEQE53 4マチック+ SUVでもAMGが専用開発したサウンドが数種類用意されていて、好みの音を選んでスピーカーから出すことができます。スピーカーは車外に装着されているので、外へ向けても独特のサウンドを響かせることができるのです。
EVのSUVであっても、AMGとしてできることはすべてやり遂げた……EQE53 4マチック+ SUVは彼らのそんな意気込みが伝わってくるモデルでした。
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