トヨタ新型「ランクル250」のオフロード性能はどう進化?誰でも悪路をラクに走破できる「新世代リアル・オフローダー」を支えるさまざまな技術とは
オフロード性能はランクル300系以上の進化を遂げている
インテリアもまた、現代的なデザインエッセンスとオーセンティックな直線基調を上手く融合させています。

日本のユーザーだと、もっと質素でもいいという人がいますが、ワールドワイドな車種であること、そして北米や中国市場も意識していることを考えれば、豪華さは欠かせません。ですが、ダッシュボードやセンターコンソール、メーターパネルのすべて直線的な意匠は、車体の傾きなどが直感的にわかる必要があるオフロード4WDのものです。
パワートレーン関連のインターフェイスはすべてフロアトンネル上に集約され、走行中でも直感的に操作できるようになっています。
トランスファーの切り替えは、非常に小さなアクチュエーター式のスイッチに替えられ、その左側にセンターデフロック、リアデフロック、スタビライザー解除などのスイッチが配置されています。オフロード4WDユーザーにとって、こうしたパワートレーン系のインターフェイスは大切なもので、愛車の雰囲気、そして愛車への愛着を高めるものです。いたずらに誇張することなく、それでいてサブトランスファー付き4WDであることの満足感も得られる、実にいいデザインだと思います。
内装の雰囲気作りも同様で、あまりに質素すぎず、それでいてオフロード4WDらしい道具感も感じられるよう、適度な質感になっています。しかし、もっとシンプルな方がランドクルーザーらしいという価値観もあるはずで、仕向け地によっては70系や中東向け150系のようにビニールシートにビニールトリムといった仕様も用意されているようです。
パワーユニットは全部で5種類用意されましたが、日本で採用されるのは150系でお馴染みの2.8Lターボディーゼル、それにシンプルな2.7Lガソリンです。当初は排出ガス規制の厳しい北米、中国のみで発売される2.4Lガソリンターボ+モーターのハイブリッドシステムも、将来的には日本に導入される予定になっています。
ちなみに、このハイブリッドシステムはトヨタ「タンドラ」で採用されており、今後はレクサス「GX」やトヨタ「タコマ」にも拡大される予定ですが、250系に採用されるシステムは耐久性や信頼性などの点で“ランクルクオリティ”になっているようです。
ランクリストにとって気になるのは、やはりオフロード性能の進化ではないでしょうか。この点についても、新世代のランクルとして申し分のない性能を持たせています。300系以上の進化を遂げている部分がいくつもあります。そのひとつが、AVSの新機能です。
300系でも先進の電子デバイスが投入されていますが、250系はエンジン、パワートレーン、そしてサスペンションの3つを統合制御。トランスファーのレンジをH4に切り替えると、それぞれで4本のダンパーの減衰力を自動調整するのです。
例えば、オンロードやダートなどでの走行が多いH4では、300系のようにドライブモードを選択することでダンピングの制御を行います。一方L4に入れた時は、乗り心地と同時にタイヤの接地性を重視した制御を行います。
オフロードではタイヤのトラクションが低下する傾向になりますが、特にモーグル地形では対角線上の2輪が浮いてしまい、もう一方の2輪だけで進むというシチュエーションが出てきます。そんな状況で、浮いた2輪をできるだけ接地する方向にダンパーを調整し、タイヤのトラクションを得ようという制御が働くのです。
さらに、これにマルチテレインセレクトの新機能が加わります。同機能は、従来はL4に入れた時だけ働くものでしたが、250系では高速でオフロードを走行するシーンも考慮して、H4でも機能するようになっています。また、H4、L4共に、各路面モードだけでなく「AUTO」モードを追加。
これにより、どのモードを選んだらいいのか分からないというユーザーでも、安心してトラクションコントロールの恩恵を受けることができます。もちろん、従来通りにセレクターで路面モードを選べば、より適したエンジン出力、ブレーキ制御を発揮するわけです。
ちなみに、パワートレーン系の開発スタッフに聞いたところ、モーターを使用するハイブリッドシステムはさらに悪路走行に有利な制御が働くようで、特に高度な運転技術を要する低ミュー路での発進などで、モーターが絶妙な駆動トルク配分を行うといいます。
今回発表されたのは250系の一部の性能でしかありませんが、これから判断するだけでも、新世代のランドクルーザーはクルマとして考えられる性能の頂点に辿り着きつつあるのではないでしょうか。

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これまでも“行きたい所に行けて、必ず生きて帰ってこられる”と謳われたランドクルーザーですが、オフロードを走破するには様々なテクニックや知識が必要です。しかし、200系以降は電子制御技術が日進月歩で進み、クロールコントロールといった機能は、それまでのオフロードテクニックの概念を大きく変えるものでした。
新型ランクル250系は、歴代ランクルが少しずつ進化させてきた70余年分の技術の塊であり、オフロード経験の少ない人は安心して、エキスパートはラクしてドライブできる、まさに新世代「リアルオフローダー」であることは間違いありません。“ランドクルーザーのど真ん中”を標榜しただけに、イマドキの高級SUVに寄ったところがない、ホンモノのオフロード4WDと言えるのではないでしょうか。
同時に、ついに再々販&カタログモデルとなった新型70系も発表されましたが、こちらも出色のでき。価格帯もほぼ同じと言われており、並べられるとどちらを買うべきか大いに悩みます。
個人的にはオフロード4WDとかれこれ40年近く付き合ってきましたが、70系とどちらかにするか悩むほどのモデルは、この250系が初めてです。
70系はもはやランドクルーザーでは欠かせないアイコンですが、70系が伝統というのであれば、250系は新しい時代のスタンダードとなるランドクルーザーといっても過言ではないと思います。
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