VAGUE(ヴァーグ)

いま注目のオールシーズンタイヤは実際に役立つ!? 3年4万km履いてわかったメリットとデメリットとは

実際に3シーズン装着して感じた夏の性能と冬の性能

 クロスクライメイト+を履いて最初に感じたのは、タイヤノイズが静かだということ。V型シェイプのトレッドからパターンノイズは聞こえてきませんでした。ロードノイズも気にならないし、意外にも静粛性は高いです。

オールシーズンタイヤには、冬用タイヤを示すスノーフレークマークが表示されている
オールシーズンタイヤには、冬用タイヤを示すスノーフレークマークが表示されている

 ドライ路面でのハンドリング性能もまったく文句はありません。

 実はこのタイヤでサーキットも走ったことがありますが、少し速度を抑えるだけで気持ちよく走ることができました。一般道ではハンドル応答性が素直でよかったです。

 直進付近のニュートラルは遊びが小さく、切り始めたところからノーズが動いてくれます。応答性にクセがなく、高速道路を直進するときも、ワインディングロードを走るときも気を使わずに走れます。接地面が横長でなく縦長になっている感じで手応えもグリップ力に見合ったもので、ステアリングフィールがよく伝わってきます。

 ZP(ランフラットタイヤ)を選んだのは、オリジナルのBMWがランフラット標準だったからです。サイドウォール補強型のランフラットですが、乗り心地がオリジナルより当たりが丸く良かったです。きっとトレッドパターンが細いかい分だけソフトに感じるからでしょう。

 こうした好印象は、走り込むにつれて悪くなるのが普通です。特にゴムが減ってくるとノイズも大きくなってくるものです。

 しかしこのクロスクライメイト+は4万kmくらいから路面によって若干打音が聞こえてくるようになった程度でした。トレッドパターンがノコギリ状になるヒール&トウ摩耗もなく綺麗に減りました。

 乗り心地も若干トレッドが薄くなった分だけダイレクトな振動が伝わってくるようになりました。4万2704km走行した溝深さですが、中央部は4mm程度残っていますが、両サイドは限界まで減っているので、今シーズンには交換しなくてはなりません。

※ ※ ※

 結論としてはミシュラン クロスクライメートを選んで正解だったと思っています。

 3シーズン走った冬道でのインプレションもお伝えしておきましょう。

 最初のシーズンは12月にタイヤを履いたばかりだったので、ほとんどスタッドレスタイヤと遜色ない雪道性能でした。トラクションも十分あるし、ブレーキ性能も不安はありません。コーナリングでは前輪はハンドルがよく効くし、後輪はドライバーの意思で少し滑らせることも安定して走らせることもでき楽しく走ることができました。

 2シーズン目になると、前シーズンより雪道でのグリップが下がっている気がしました。平坦な雪道ではまったく問題なく走れましたが、登り坂ではオートソックの助けを1回だけ借りました。このときはもっと雪があれば進めたと思いますが、薄い雪で下がアイスバーンのような感じだったので、そこがオールシーズンタイヤの限界だったのでしょう。

 3シーズン目は2シーズン目より雪道で滑りやすくなった感じです。やはり走行して溝が浅くなると雪を掴む能力も落ちるからでしょう。

 本格的に雪国で走るとか、雪山によく行くという使い方にはスタッドレスタイヤが良いですが、都会派でたまに雪道を走る程度ならオールシーズンタイヤが筆者のお勧めです。

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こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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