フェラーリ最新のオープン・スーパーカー「ローマスパイダー」はルーフを開けても閉じても甘美! “刺激が増したV8エンジン”に心奪われる
クーペと見紛うばかりの美しいルーフライン
2023年5月にすでに日本でもお披露目されているフェラーリ「ローマ スパイダー」のテストドライブが、いよいよ実現しました。
舞台はイタリアのサルディニア島。南部にある小さな街・プーラのリゾートホテルを拠点に、海沿いの景勝地、ワインディングロード、街中から高速道路まで、さまざまなシチュエーションでステアリングを握ったローマ スパイダーの仕上がりは、結論からいうと想像をはるかに超えるものでした。

2019年秋の「ローマ」の登場以来、実に3年越しで追加されたスパイダーは、ローマの美しいフォルムをベースにしたソフトトップのオープンカーです。これまでフェラーリはこのセグメントにRHT(リトラクタブルハードドップ)を持つ「ポルトフィーノM」を用意していましたが、今後はローマとローマ スパイダーがこの市場を担うことになります。
振り返れば、フェラーリがこのセグメントに進出した最初のモデルは、RHTを初採用して2008年に登場した「カリフォルニア」でした。後の「カリフォルニアT」を含めて、歴代フェラーリ中、最もデイリーユースに供される比率の高いモデルといわれ、なんと販売の70%以上を新規ユーザーが占めたという大成功が、次作ポルトフィーノと同Mへとつながります。
大きな武器となったのは、実はリアシートの存在でした。短時間の移動ならば大人もなんとか乗り込むことができ、しかもチャイルドシートを装着して小さな子どもを乗せることも可能。実際、ポルトフィーノではカリフォルニアより後席足元の余裕を5cm拡大するなど、より一層、使い勝手に配慮した設計とされていて、フェラーリ自身もそうした日常性能的な部分を強くアピールしていたように思います。
ところが一転、ローマは「La Nuova Dolce Vita」(新しい甘い生活)をキャッチコピーに妖艶な美しさを前面に出して登場しました。イメージは、ツヤっぽい男女ふたり。ユーティリティ性やファミリー感といった部分は、実際の使い勝手においてはさておき、アピールが弱められた格好です。
デザインを見ても、空気の流れを可視化したようなスタイリングのポルトフィーノと同Mからは一転、できる限り線や面をシンプルにまとめた、エレガンスが追求されたものとなっています。
ローマ スパイダーもその路線を踏襲。ソフトトップを活かしてクローズ状態では元々の妖艶なフォルムを損なうことのない、クーペと見紛うばかりの美しいルーフラインを描き出しています。
そして、60km/h以下の速度ならば走行中も13.5秒で開閉可能なルーフを開けたときの姿も流麗そのもの。ルーフ格納部分にあえてソフトトップと同じ素材をあしらったセンスも素晴らしく、まさに開けても閉じても完璧といえる美しさが演出されています。
前作ポルトフィーノと同Mも、オープン時とクローズ時、それぞれのスタイリングの高いレベルでの両立ぶりに感心させられたものですが、やはり機械的、機構的な制約の少ないソフトトップを採用したローマ スパイダーの、肉感的でありながらも引き締まるところは引き締まったツヤめかしいボディに、コンパクトにまとめられたインテリアのバランスも完璧といえます。
ところが、プロダクトマーケティング担当のマッティア・メジオリン氏はこういうのでした。
「ローマ スパイダーが想定しているユーザーは、ポルトフィーノMと大きくは変わりません。後席にチャイルドシートを取りつけて使っていただける方も、引き続き一定数いらっしゃると思っています」
デザインや醸し出す雰囲気は大きく異なるものの、想定ユーザー層は変わらないというのは正直ちょっと意外でした。
しかしながら、ポルトフィーノMよりもグンとコンパクトに見えるキャビンは、後席の背もたれがわずか2度ほど立てられているだけで、ほぼ変わらないスペースを確保しているとのこと。つまり、キャビンがコンパクトでまさに前席優先に見えるのは“デザインのマジック”なのだそうです。
ラゲッジスペースもやはり、クローズ状態なら機内持ち込みサイズのトロリーを3個飲み込めたポルトフィーノと同Mに対して、絞り込んだリアデザインの影響か、同じものを2個搭載可能と縮小していますが、それでもルーフクローズ時に255L、オープン時でも172Lと、十分な容量を確保しています。
●オープン化による重量増を苦にしないパワフルな心臓部
走行性能に関する部分は、ほぼローマに準じています。エンジンは3.9リッターV型8気筒ツインターボで、最高出力620ps、最大トルク760Nmを発生し、8速“F1 DCT”を介して後輪を駆動します。オープン化によって車両重量は84kg増えているとのことですが、これだけのパワーがあれば不足はないでしょう。
異なるのはサスペンションの設定。スプリングレートはわずかに高められ、電子制御ダンパーなどの設定も見直されています。さらに、エグゾースト回りも刷新されました。
サイレンサーを持たず、ふたつの電子制御バルブで音量をコントロールするこのマフラーシステムは、ルーフの開閉時それぞれに最適なサウンドを奏でるよう、再セットアップされているのです。
page
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】