国産メーカーも驚愕!? 中国車ブランド「BYD」は日本車の脅威となるのか? 「上陸第1号」のコンパクトSUVに乗って考える
中国以外のマーケットでも日本車と勝負できる実力
2023年もまもなく終わりを迎えますが、今年、日本の自動車業界で大きな話題となったことのひとつが、中国の自動車メーカー・BYD(比亜迪)の上陸です。
ジャパンモビリティショー2023への出展でも注目を集めたBYDは、今年1月、コンパクトSUVの「ATTO3(アット・スリー)」で日本市場に初上陸しました。
上陸第1号車となったATTO3はどんなモデルなのか、改めて試乗しました。

2023年上半期の自動車輸出台数は、中国が日本を抜いて世界一だったそうです。このニュースから見えてくるのは、中国製のクルマが次の段階へとステップアップしているということでしょう。
中国の自動車マーケットは、近年、世界最大の規模へと成長しました。ただし、これまでは、フォルクスワーゲンを始めとする海外ブランドが高いシェアを占め、中国の自動車メーカーはその後を追う立場でした。
しかし、ここ数年で状況は劇的に変化。中国の自動車メーカーは中国の内需をまかなうのはもちろんのこと、欧米や日本の自動車メーカーと国外のマーケットで勝負できる存在へと成長しているのです。
中国メーカーが手がけるモデルの最大の武器は、やはり価格。ライバルと比べて安いのです。それはかつて、日本車が海外市場へと進出した際に評価されたアドバンテージと同じものなのです。
足下を見れば、日米欧の自動車メーカーがロシアでの生産をストップするとともに、ロシア向けの新車輸出がなくなったことで生産台数を減らす一方、中国メーカーはロシアに入り込んで台数を伸ばしているという事情があります。
しかし、ロシアだけでなくヨーロッパやアジアでも、中国車の勢いは加速中。この流れはもはや止められそうにありません。
ATTO3を手がけるBYDも、今、勢いのある中国メーカーのひとつ。社名は企業理念である“Build Your Dreams”の頭文字からとったものです。
BYDは2023年初頭、中国の自動車ブランドとして初めて、日本市場で乗用車の正規販売をスタートしましたが、実は同社、乗用車販売をスタートさせる前から電気バスの市場で日本参入を果たしていて、その日本でのシェアは7割にも達しています。
電気バス自体がそれほど多くない(国内で走る電気バスは200台ほど)とはいうものの、その存在感はなかなかのもの。そんなBYDが、満を持して乗用車市場にも本格進出を果たしたわけです。
ちなみに、BYDは自動車専業メーカーではありません。バッテリーメーカーとして1995年に創業。2000年代に入ると、モトローラやノキアといった世界的通信機器メーカーへバッテリーを供給するなど事業を拡大。世界有数のバッテリーメーカーとなったのです。
その後、2003年に自動車事業へ進出。つまり自動車メーカーとしてのBYDはわずか20年の歴史しかないわけです。
そして2010年には、ダイムラーAGと合弁会社を設立。2020年にはトヨタ自動車と合弁でEV(電気自動車)の研究開発会社を設立するなど、既存の自動車メーカーとも関係を深めています。
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