発電用として復活した「マツダの魂」に“ロータリーらしさ”は感じられるか? 個性派SUV「MX-30」のPHEVで感じた「魅力と課題」とは
新時代のロータリーエンジンはあくまで黒子
このように、見事に復活を遂げたロータリーエンジンを搭載するMX-30 ロータリーEVですが、“ロータリーらしさ”はどんなところに継承されているのでしょうか?

その答えは人によって異なるでしょうが、「RX-7」など従来のロータリーエンジン車を想像すると、ちょっと期待外れに感じるかもしれません。
MX-30 ロータリーEVに搭載されるロータリーエンジンはあくまで黒子であり、その存在感や主張は控えめだからです。かつてのような甲高いエンジン音も聞こえてはきません。
だからといって「ロータリーエンジンらしさは皆無か?」といえば、決してそんなことはありません。
かつてロータリーエンジンは、「モーターのような回転フィール」と形容されていました。振動が少なく、なめらかに回転が高まるからです。一方、MX-30 ロータリーEVは100%モーターで駆動するモデル。「モーターのよう」ではなく、「モーターそのもの」で走るのです。
見方を変えれば、MX-30 ロータリーEVは、ある意味、これまでとは次元が異なる“究極のロータリーらしさ”を備えているといってもいいのかもしれません。
ただし、クルマ好き、ロータリーエンジン好きの視点から見ると、やはり物足りなさは否めません。最大の要因はやっぱり音。ロータリーエンジンらしいサウンドの演出が欲しいのです。
近年、騒音規制が厳しくなったこともあり、直接的なエンジン音ではなく、電子的な疑似エンジンサウンドを“聞かせる”技術が進化しています。MX-30 ロータリーEVもこうした技術を活用し、アクセルペダルの踏み込み量に応じてスピーカーからロータリーサウンドの電子音を聞かせるギミックがあってもいいのではないでしょうか?
2ローター・ロータリーエンジンの“13B”はもちろんのこと、3ローター・ロータリーエンジンの“20B”や、ル・マンで優勝したレーシングカー「787B」に積まれた4ローター・ロータリーエンジンの音を再現し、スイッチで切り替えながら走れると楽しそうですよね。電子音ならスイッチひとつで「楽しみたいときだけオンにする」こともできるでしょう。
いずれにせよ、MX-30 ロータリーEVは、復活したロータリーエンジンに込められたマツダの魂をしっかりと感じられるモデルでした。間違いなく、自動車史に残る“本物”といえる存在です。
個性的なPHEVが欲しい人はもちろんのこと、RX-7などロータリーエンジン車オーナーのセカンドカーとしてもおすすめです。
●MAZDA MX-30 Rotary-EV Natural Monotone
マツダ MX-30 ロータリーEV ナチュラルモノトーン
・価格(消費税込):478万5000円
・全長:4395mm
・全幅:1795mm
・全高:1595mm
・ホイールベース:2655mm
・車両重量:1780kg
・エンジン形式:水冷1ローター
・排気量:830cc
・エンジン最高出力:72ps/4500rpm
・エンジン最大トルク:112Nm/4500rpm
・モーター最高出力:170ps/9000rpm
・モーター最大トルク:260Nm/0〜4481rpm
・駆動方式:FWD
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)トーションビーム式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前)215/55R18、(後)215/55R18
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