「カウンタック」より速いってホント!? F1譲りのV12を積んだ伝説のミッドシップフェラーリ「365GT/4BB」に秘められた“物語”とは
“キング・オブ・スーパーカー”に挑んだ革新のミッドシップV12
スーパーカーブームの時代、「カウンタックより速いフェラーリがあるらしい」と話題をさらった「365GT/4BB」。ピニンファリーナの美しいボディに、F1譲りの水平対向12気筒エンジンを積むこの伝説の一台を、いま実際に愛用するオーナーを取材しました。

この春で54歳になった筆者が「永遠のライバル」と聞いて真っ先に思い出すのは、『機動戦士ガンダム』シリーズにおけるアムロ・レイとシャア・アズナブル、ハリウッド映画界をけん引したアクションスターのシルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー、そして、スーパーカーブーム全盛時に最高速度対決を繰り広げたフェラーリ365GT/4BBとランボルギーニ「カウンタックLP400」です。
スーパーカーブームをリアルタイムで体感した、かつての少年たちにとって、カウンタックLP400の300km/hに対し、わずか2km/h差ながらも302km/hで最高速度対決を制した365GT4/BBは、ひときわスペシャルな存在でした。
1971年に開催されたトリノ・モーターショーのピニンファリーナ・ブースでデビューした365GT/4BBは、フェラーリがそれまでに送り出してきた市販12気筒エンジン搭載車とは異なり、F1用パワーユニット直系の水平対向12気筒エンジンとトランスミッションを一体化し、それをミッドシップに搭載するという斬新なレイアウトを採用していました。
トリノ・モーターショーで披露されたコンセプトモデルは、1973年に登場した量産型とは異なり、ツイン・テールランプと2系統式のエキゾーストシステムを備えていました。この365GT/4BBの登場により、フロントエンジン車が伝統だったフェラーリのフラッグシップは新時代を迎え、“キング・オブ・スーパーカー”として名高いカウンタックLP400とのガチンコ対決が幕を開けたのです。
ミッドシップ・スーパーカーの時代が始まったとはいえ、当時はまだフロントエンジンV12モデルである「365GTB/4デイトナ」の販売も好調だったため、しばらくの間、365GT/4BBとデイトナが併売されるという、なんとも贅沢な時期が続いていました。
365GT/4BBが販売されていた1973年から1976年までは、第一次オイルショックによる景気後退の時期と重なっていましたが、エアコン、ラジオ、パワーウインドウなどが標準装備されており、優れた動力性能とピニンファリーナによるアグレッシブかつ美しいスタイルも相まって、トータルで387台が生産されたといわれています。
ピニンファリーナのチーフデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティによるエクステリアはとても斬新でした。全幅にわたる格子パターンのアルミ製ラジエターグリルがノーズ下部を覆い、その背後にドライビングライトを配置。さらに、ラジエターグリルのすぐ上からキャラクターラインがボディ全体を一周しており、ボディが上下で分離できそうな視覚的効果をもたらしていました。
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