“アルファ ロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」待望の上陸! アグレッシブなデザインは想像以上!? 「BEV対ハイブリッド」走りはどちらが格上?
素晴らしく素直に、素早くコーナーをクリアしていく「エレットリカ」
とはいえ、「ジュニア」に強い関心を抱く人たちが気になるのは、そうした部分ではないでしょう。「走りはどうなの?」というところに尽きると思います。

いきなり結論めいたことをいうとしたら、心配はご無用。BEVの「エレットリカ」とマイルドハイブリッドの「イブリダ」では、もちろん基本構成の違いによる乗り味の違いこそありますが、基本的に同じベクトル上にある走る楽しさ、気持ちよさがあるのです。しかも、十分に“アルファ ロメオらしい”といえる範疇で。
2024年の国際試乗会で、僕は「エレットリカ・ヴェローチェ」というホットモデルのステアリングを握り、ファンが“聖地”と呼ぶイタリア・バロッコのテストコースを走ることができました。
「エレットリカ・ヴェローチェ」はBEV/マイルドハイブリッドを合わせたシリーズ中、最もハイパフォーマンス……それも段トツで……の「ジュニア」です。その一番スゴいヤツを先に体験しちゃってるから、「スタンダードな『エレットリカ』は物足りないかも?」なんて危惧してたところがありました。
何せ、スタンダード版といえる「エレットリカ・プレミアム」は、総電力量54kWhのバッテリーを積み、156psと270Nmを発生する電気モーターで前輪を駆動するという構成。「エレットリカ・ヴェローチェ」の280ps/345Nmとは大きな開きがあるわけです。
ところが、です。「あれ? これって本当に156psしかないの?」と、軽く疑念を抱いたほど、なかなか鋭い加速を見せてくれたのです。僕はすでに、同じスペックのフィアット「600e」やジープ「アベンジャー」に試乗済み。それぞれ、低速域ではペダルによるトルクコントロールのしやすさがちゃんとあって、「いかにも電気自動車!」といった具合に唐突にチカラが立ち上がるようなセットアップではないことも確認してます。
にも関わらず、「600e」や「アベンジャー」より速さを感じるのは、パワーやトルクを盛り上げてスピードにつなげていく制御が異なるからか、あるいは、アルファに乗ってるという先入観がそう感じさせるのか。いずれにせよ、爽快という言葉が似つかわしいくらい気持ちよく、実際にスピードもあって、「いや、スタンダード版でもパフォーマンス的には十分でしょ!」と素直に感じたほどの加速感、そして伸び感なのでした。“Bセグメント”のSUVであることを考えたら、なおのこと、です。
それでいて、航続距離はWLTCモードで494km、つまり、実質的に400km前後は走れるのですから、僕としては文句なし、です。
ハンドリングはどうかといえば、もちろん上々。BEVならではの重心高の低さと重量バランスのよさがやはり効いていて、素晴らしく素直に、素早くコーナーをクリアしてくれます。
アクセル&ブレーキペダルの操作で4つのタイヤへかける荷重をコントロールしていきやすいので、クルマに対して「こう曲がりたい」とドライバーの意志を伝えやすいし、もちろん、それにしっかり応えてくれる懐の深さも持っています。
サスペンションそのものは、フィアットやジープなどと比べて引き締められてるのは確かなのですが、そこはアルファ ロメオ。少しもガチガチな感触はなく、適度に車体をロールさせ、適度なところで抑え、そのロールを巧みに利用しながらきれいにコーナリングさせてくれるのです。そこに昔からの“らしい”テイストを感じられて、うれしくなりました。

そうした一連の動きに言葉を当てはめ、印象の強い順に5つ並べるなら……多少大袈裟な表現もありますが……「重厚」、「なめらか」、「俊敏」、「筋肉質」、「しっとり」となるでしょうか。
バロッコで走らせた「エレットリカ・ヴェローチェ」のように念入りなスポーツ系チューニングを受けてるわけではありませんが、こちらでも十分。街中でも高速道路でもワインディングロードでも、BEV+アルファ ロメオのテイストの楽しさと気持ちよさを存分に味わうことができるからです。
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