“アルファ ロメオ最小のSUV”新型「ジュニア」待望の上陸! アグレッシブなデザインは想像以上!? 「BEV対ハイブリッド」走りはどちらが格上?
アルファの伝統に沿ってデザインされた新SUV「ジュニア」
いろいろな意味で手を伸ばしやすいアルファ ロメオが久しぶりに登場したな……というのが、走らせてみての素直な実感です。ほどよいサイズ、リーズナブルな価格、それでいてアルファ ロメオの名に恥じないインプレッシブなルックスと痛快明快な走りっぷり……。日本上陸を果たしたばかりのコンパクトなアルファ ロメオ「ジュニア」は、アルファ ロメオの熱心なファンにとっても、コンパクトでシャレたSUVをねらってる人にとっても、走りの楽しいスポーツ系モデルが欲しい人にとっても、かなり有力な選択肢になりそうです。

今回、日本に上陸した「ジュニア」のラインナップ構成は、本国と同じく2系統。ひとつは、100%ピュアBEV(電気自動車)の「エレットリカ」で、もうひとつはマイルドハイブリッドの「イブリダ」です。
「エレットリカ」は現時点で「プレミアム」の1グレードのみですが、「イブリダ」の方はエントリーグレードの「コア」、上位グレードの「プレミアム」、そして200台限定の導入記念モデル「スペチアーレ」という布陣。
気になる価格(消費税込)は、高額なバッテリーをたっぷり搭載するBEVの「エレットリカ」が556万円、かなり贅沢といえる仕様の「イブリダ・スペチアーレ」が533万円となるものの、イブリダの「コア」は420万円、「プレミアム」は468万円と500万円を大きく下回っています。
欧州での価格、それに昨今の為替の問題が車両価格だけじゃなく輸送コストにまで大きな影響を及ぼしてることを知る身としては、かなり頑張ったプライスタグだと感じています。「ブラーヴォ!」と賞賛したいくらいに。
今回の試乗車は、「エレットリカ・プレミアム」と「イブリダ・プレミアム」。パワートレインはもちろん異なりますが、同じ「プレミアム」系ですから、エクステリアもインテリアも……細かな違いは少々ありますが……基本はいっしょです。唯一、パッと見で明らかに異なるのは顔つき。その中心にあるスクデット=盾の部分のデザインが違います。
今回の試乗車は、赤いボディが「エレットリカ」、青いボディが「イブリダ」なのですが、「エレットリカ」のそれはアルファ ロメオのエンブレムの象徴的な部分を透かし彫りみたいにして盾の部分に組み込んだ“プログレッソ”と呼ばれるもの。古くからのファンにはあまりにも斬新に感じられたため、発表時にはかなり物議を醸しました。実車を見てみると意外や悪くないのですけどね。この“プログレッソ”は、「エレットリカ」と「イブリダ・スペチアーレ」に備わります。
方や、盾の中央に戦前のアルファ ロメオのそれを想起させるクラシカルな「Alfa Romeo」の文字が刻まれたスクデットは、まさにイメージどおり“レジェンダ”と呼ばれています。古いファンには馴染みのあるロゴだからか、発表当初から割とすんなり受け入れられていました。「イブリダ」の「コア」と「プレミアム」が、このスクデットをまといます。
人によって好みが真っぷたつに分かれる「ジュニア」のスクデットですが、あなたはどちらが好みでしょう? 今のところグレードごとにスクデットが定められてるわけですが、BEVには“レジェンダ”の設定がないので、いずれオプションで選べるようになるといいな、なんて思います。
さて、発表のときに世界中で物議を醸し出したスタイリングは、ドイツで複数の自動車雑誌がそれぞれ選出するデザインアワードを受賞するなど、時間の経過とともに評価が変化。今では否定的な意見をあまり目にすることはなくなりました。
白状するなら、僕(嶋田智之)も最初、写真で見たときに「アルファ、やっちまったか……」なんて思ったものでした。が、2024年の国際試乗会で実車を見てるうちにいつの間にか感想が変わっていて、帰国する際には「なかなかカッコよかった」なんて知人宛のメールに記してたくらいです。
今回、久しぶりに「ジュニア」の実車に触れてみて「やっぱりカッコいいじゃん」と感じたのが正直なところです。最初はインパクトがキツいからか反射的に引いちゃうけれど、見てるうちに次第に惹かれていく……アルファ ロメオの歴史をひるがえると、そうしたクルマがいくつもありました。今では名車と呼ばれるモデルも多々です。今回の「ジュニア」も、間違いなくその伝統に沿っていくのでしょう。
インテリアの基本構造やレイアウトなどは、同じ“eCMPプラットフォーム”を使うフィアット「600」やジープ「アベンジャー」とそう変わりません。ですが、印象が随分違って感じられるのは、アルファがアルファとしての美学を大切にしてるから、ではないでしょうか。
「ジュリア」、「ステルヴィオ」、「トナーレ」といった現行ラインナップと同じくスポーティ&ラグジュアリーというべき世界観でまとめられているせいで、いかにもモダン・アルファ ロメオといった雰囲気が漂ってるのです。
さらに、タッチパネル式モニターをダッシュボードに上手く埋め込んでドライバーの視界を奪わないよう配慮されているところなどは、アルファ ロメオがどこまでもドライバーズカーであることの証みたいなもので、ファンとしてはうれしい気持ちになってきます。

そんな「ジュニア」のボディサイズは、全長4195mm、全幅1780mm、全高1580mm。トヨタ「ヤリス クロス」とほぼ同じ大きさです。アルファ ロメオで比べるなら、「ジュリエッタ」より半回りくらいコンパクト、といった感じでしょうか。
ゆえに、キャビンは広大というわけではありませんが、大人4人がゆったり移動できるくらいの空間はしっかり確保されています。ラゲッジスペースの容量は「エレットリカ」が通常で400リットル、「イブリダ」が同415リットルで、リアの造形がクーペっぽい割に、かなり優秀な数値といえるでしょう。
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