VAGUE(ヴァーグ)

スズキの新しい電動SUV「eビターラ」は何がスゴい? 広々キャビンに息づく小型車づくりのノウハウ!「EVだから」とあなどれない高評価のポイントとは

「eビターラ」は「エスクード」のBEV版!?

 2025年度中に日本市場へ導入予定とアナウンスされているスズキ初の量産BEV(電気自動車)「eビターラ」を試乗しました。まだプロトタイプ=試作車ではありますが、その内容は基本的に、市販車と同じと思っていいでしょう。

スズキ新型「eビターラ」
スズキ新型「eビターラ」

 ところで「ビターラ」とは、どんなクルマなのでしょう? その正体は「エスクード」の海外仕様です。

「ビターラ」が、フレームシャシーに縦置きエンジンとコンベンショナルな機械式4WDを組み合わせた伝統的なクロスカントリーSUVだったのは過去の話。昨今のモデルはエンジンを横置きに搭載する、モノコックボディの都会派クロスオーバーSUVとなっています。

 つまり「eビターラ」は、そのBEVバージョン、というわけですね。実際のところ「eビターラ」と「ビターラ」はデザインも車体構造も全く別物ですが、ポジショニングをリンクさせているというわけです。

 フォードが、主力モデルと位置づけるBEVをボディもパッケージングもエンジン車とは全く異なるのに“「マスタング」のBEV版”として売り出したのと同様、スズキは自社初の量産BEVをブランニューモデルとするのではなく、より広く周知させるべく“「ビターラ」=「エスクード」のBEV版”と位置づけたわけです。

 そんなスズキ初の量産BEVである「eビターラ」は、全長4275mm、全幅1800mm、全高1640mm、ホイールベース2700mmというボディサイズ。“Bセグメント”のクロスオーバーSUVという、ヨーロッパなどで人気の都市型SUVです。

 駆動方式は、前輪駆動の2WDと4WDの2種類があり、前者はバッテリー容量49kWhの標準グレードと、バッテリー容量61kWhの上級グレードを設定。後者は61kWhを搭載する上級グレードだけとなります。

 気になる航続距離は、2WDの上級グレードがWLTCモードで500km以上、4WDが450km以上、そして49kWhの2WD標準グレードが400km以上とアナウンスされています。

 実用レベルで考えれば、400km程度走れれば十分ですし、500kmも走れれば“かなり余裕あり”と判断していいでしょう。「eビターラ」は小さなBEVながら、いいバランスを見つけてきたな、という印象です。

 モーター出力は、49kWhバッテリーを搭載する2WDの標準グレードが106kW、61kWhのバッテリーを搭載する2WDの上級グレードがよりパワフルな128kWを発生。上級グレードだけの設定となる4WD車は、フロント128kW、リア48kWのモーターを組み合わせています。

 これにより、停止状態から100km/hまで加速する際の所要タイムは7.4〜9.6秒をマーク。数値を見る限り、驚くほど速いわけではないけれど、フツーに速い、といったところでしょうか。

●スズキの軽自動車づくりのノウハウが凝縮されたキャビン

 何を隠そう「eビターラ」は、2023年秋の「ジャパンモビリティショー」に出展されたコンセプトカー「eVX(イーブイエックス)」の市販モデルという位置づけです。

 実際「eビターラ」のスタイリングは「eVX」のイメージをかなり忠実に再現しています。個人的には、これほどまでに“「eVX」から変更なし”の状態とは想像していませんでした。もっと現実的なデザインに寄せてくると思っていたのです。

 でも、目の前に姿を現したプロトタイプはかなりのカッコよさ。“BEVらしい未来感”をあえてねらわなかったのが、カッコよさにつながっているのだと思います。

 ポイントは、全長の割にホイールベースが2700mmと長く、その分、オーバーハングが短いところ。ちなみに「eビターラ」のオーバーハングが短いのは、BEV専用の新プラットフォーム“eハーテクト”採用の恩恵だといいます。

 サイドウインドウの天地が短いことから、ルーフが低く、キャビンがキャノピー状に見えることも含め、美しいプロポーションですね。ボディサイドに関しては、大きく張り出したフェンダーの力強さに注目したいところです。

 こうしたルックスにより、パッと見、「リアシートが狭そう」と感じる「eビターラ」ですが、実際に座ってみてびっくり。けっこう広いのです。

スズキ新型「eビターラ」
スズキ新型「eビターラ」

 身長167cmの筆者が、運転席を自分のドライビングポジションに合わせ、その後方のリアシートへまわると、ひざ回りにはコブシふたつ分のゆとりがあります。

 また、ルーフは低く見えるものの、実際にはリアシートの頭上クリアランスは申し分なし。スズキは軽自動車づくりのノウハウが豊富なだけあって、小さいクルマのパッケージングが巧みですね。

 そうそう、リアシートにも前後スライド機構が備わる点は、日本のコンパクトSUVとしても、そしてBEVとしても珍しいところです。

Next「eビターラ」の要であるリン酸鉄バッテリーの特徴とは
Gallery 【画像】「えっ!…」BEVだからってあなどれない!? これがスズキ初の量産BEV「eビターラ」のスゴさです(30枚以上)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】

“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】

RECOMMEND