MTで“スポーツカーの代名詞”を操る快感とは? 進化したポルシェ「911カレラT」は“軽やかな身のこなし”が印象的! より快適になった乗り心地も魅力です
「911カレラ」の軽量バージョンが“992.2”型へ進化
いよいよ役者が出そろった……というところでしょうか。2024年に改良を受けたポルシェの現行型「911」、通称“992.2”型のラインナップに「カレラT」が加わりました。先代モデルである“タイプ991”の後期型から設定される現在の「911カレラT」は“軽量なスポーティモデル”というキャラクターです。

“現在の”と記したのは、「カレラT」にはルーツというか、モチーフとなったモデルが存在するからです。そのモチーフとは、1960年代後半に設定されていた「911T」。空冷時代の「911」においても、初期に当たる“ナロー”と呼ばれていた時代のモデルです。
当時、1964年のデビューから数年を経ていた「911」は、バリエーション展開に取り組むようになります。モデルイヤーによって設定は異なりますが、スポーツ志向の強い「911S」、公道向けの標準仕様となる「911L」や「911E」、そして装備の簡素化と軽量化を図った「911T」などが展開されました。
「911T」は当初、エントリーモデルとしての位置づけでしたが、素性のよさからプライベートでモータースポーツを楽しむユーザーたちを魅了。レースシーンでも活躍しました。
今日の“992.2”型も、クーペのカレラ系だけで、「カレラ」、「カレラS」、「カレラGTS」、「カレラ4 S」、「カレラ4 GTS」と多彩なバリエーションが展開されています。そして、ヒストリーを踏まえつつ新しい「カレラT」のポジションを眺めれば、標準モデル=「カレラ」をベースとする軽量仕立てのバージョンという素性は、かつての「911T」に通じる生い立ちを感じます。
ではあらためて、“992.2”型「カレラT」のディテールと前期モデルからの変更点をチェックしてみましょう。
エクステリアは基本的に「911カレラ」に準じていますが、ホイールは「カレラ」がフロント19インチ、リア20インチの組み合わせが標準であるのに対し、「カレラT」はフロント20インチ、リア21インチが標準となります。また、ボディサイドにある「911 Carrera T」デカールも標準で備わります。
加えて、機能面では10mmローダウンされた“PASMアダプティブスポーツサスペンション”、「カレラT」専用にチューニングされた“リアアクスルステアリング”、同じく専用チューニングが施された前後スタビライザーが備わります。
インテリアは、4方向電動調整機能が備わった“スポーツシートプラス”(「カレラ」のそれはスポーツシート)となるほか、ダッシュボード下部がエクステリアカラー塗装となるインテリアパッケージが標準となります。
また、リアシートは先の改良に合わせて無償オプションという扱いになっており、こちらもノーマルの「カレラ」と同様です。
車内を見渡して気づく最大の相違点は、MTのシフトレバーが備わること。前期モデルでは7速MTと8速PDKが設定されていた「カレラT」ですが、最新型では6速MTのみの設定となったのもニュースといえるでしょう。ちなみにシフトレバーには、ウォールナットの木目が活かされたボール状のデザインを採用。手触りも良好です。

このほか、今回の試乗車には、バンパー形状がノーマルとは異なる“スポーツデザインパッケージ”(消費税込59万6000円)、18方向の電動調整機能が備わる“アダプティブスポーツシートプラス”(同49万1000円)、“HDマトリクスLEDヘッドライト”(同35万3000円)、“BOSEサラウンドシステム”(同22万1000円)といったオプションが備わっていました。
スタンダード状態でのプラスは「911カレラ」が同1853万円、「カレラT」が同2006万円ですから、約150万円のエクストラが必要というわけです。しかし、遮音・断熱材の削減や足まわりなどの専用アイテムを考慮すると、実に悩ましいプライス設定かもしれません。
一方、そのたたずまいは、リアのバッジやボディサイドのデカール、サイドウインドウに貼られるシフトパターンのステッカーを見ない限り、「911カレラ」に準じたスタイルとなります。
また、標準仕様ではエクステリアパーツなどは備わりませんが、多彩な装備やパッケージを組み合わせ、自分だけの1台をつくり上げられるのは、「911」シリーズ共通の楽しみといえるでしょう。
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