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「新時代のアメリカンラグジュアリー」の真髄とは? キャデラック最新の電動SUV「リリック」に乗って分かった実力 “意のままに操れる”走り味が好印象

“走りのゆとり”がもたらす気持ちの優雅さ

 そんな新型「リリック」で公道試乗へと出かけましょう。

キャデラック新型「リリック」
キャデラック新型「リリック」

 実は筆者(工藤貴宏)が「リリック」をドライブするのは今回が2度目。前回はサーキットでのクローズド試乗だったことから、ハンドリングの正確さや怒涛の加速力といったダイナミクス性能の高さを実感できました。

 一方、今回は一般道での試乗だったのですが、感心させられたのは“どこまでも走っていきたくなる「リリック」の優雅なドライブフィール”でした。

 高速道路での運転感覚は、どっしりと安定。ロングクルージングもお手のものです。しかし、だからといって、ペースを上げて速く走ろうなんて気持ちにさせないところが、「リリック」で特筆すべき点なのかもしれません。

 実際、そうした走行性能の余裕をゆったりとしたペースに傾けてみると、「リリック」というモデルの本質に近づける気がします。これぞ“走りのゆとり”がもたらす、気持ちの優雅さなのでしょう。

 そのため、新型「リリック」をドライブしていると、とにかく疲れません。高速道路の左車線を粛々と走りながら、「速く走りたい人はお先にどうぞ」という大らかな気分にさえさせてくれます。

 カタログに記載される1回の充電当たりの航続可能距離は510kmですが、「リリック」ならその程度の距離くらい、疲れ知らずで走破できそうです。

 ひとつ難点を挙げるとすれば、車線の中央部をトレースする“レーンセンタリング機能”が搭載されていないこと。これがあれば手放し運転とはいかないまでも、ステアリングに軽く手を添えておくだけで車線の中央を走っていってくれるのです。しかし、現時点で日本仕様には設定がありません。

 ただし、北米仕様には“スーパークルーズ”と呼ばれる手放し運転機能が用意されているので、同機能が高いハードルを乗り越えて日本仕様に搭載される日がくればいいのにな……と願わずにはいられません。

 さて、そんな「リリック」には珍しい装備が搭載されています。それは、左手で操作するステアリングのパドルが、ブレーキとしても機能すること。

 よくある、アクセルオフ時の回生ブレーキの効きを段階的に調整する機能ではなく、しっかりとストロークのあるパドルを左手で調整しながら、ブレーキをかけられるようになっているのです。

「なぜこんな機能が必要なのだろう?」と最初は戸惑いましたが、使ってみるとこれが思いのほか便利だったのです。

 BEVは一般道での走行時、アクセルオフによるコースティング=滑走機能を使うことがよくありますが、その状態から減速したいときにブレーキペダルを踏まなくても、「リリック」はこのパドルを操作することで減速できるのです。

 しかも、最初は違和感を覚えたものの、数回使っただけでフットブレーキを踏むより自然に減速させられるようになりました。人間の適応力ってスゴいですね!

 また、前方の信号が赤になったときなどは、ブレーキペダルを踏むことなくパドルで完全停止状態まで減速可能。さらに、停止するとそのままブレーキホールド状態になるのですから、ますます便利だと感じました。

 そして、さまざまなシーンで使っているうちに、コースティングの状態から減速する際は、アクセルからブレーキへとペダルを踏み替えるのではなく、手でブレーキをかけた方が楽だという結論に達しました。

 率直にいって同機能は、もっと多くのクルマに普及して欲しいと筆者は思います。

* * *

 というわけで、日本でのデリバリーが始まったキャデラック初のBEV「リリック」は、スポーツカーやスポーティセダンとは対極にある、時間の流れをゆっくり感じられるアメリカンラグジュアリーSUVです。

 特におすすめしたいのは、人生やカーライフにゆとりを必要としている人。さらに、長距離をリラックスして疲れず移動したい人にとっても最高の1台といえそうです。

Gallery 【画像】「えっ!…」心に余裕をもたらす優雅な走り! これがキャデラック初のBEV「リリック」です(30枚以上)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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