40年以上前の“未来”が今も新しい! マツダのコンセプトカー「MX-81」は何がスゴかった? イタリアのベルトーネが手がけた「普遍的な機能美」とは
「MX」シリーズの原点はイタリア仕立てのウェッジシェイプが新鮮
マツダの広島本社ショールームに、先日まで1台のコンセプトカーが展示されていました。その名は「MX-81」。今から40年以上前、1981年の「東京モーターショー」で初公開されたこのモデルは、単なる懐古趣味的な展示物ではありませんでした。
「MX-81」という車名にある「MX」とは、マツダにとって特別な意味を持っています。それは「Mazda eXperimental(マツダの実験的モデル)」の頭文字で、現在、「MX-30」や「ロードスター(海外名:「MX-5」)」に使われる名称の、まさしくルーツとなる存在がこのクルマなのです。
「MX-81」のスタイリングは、1980年代から90年代のクルマ社会を見据えた提案として生まれたといいます。デザインを担当したのは、ランチア「ストラトス」やランボルギーニ「カウンタック」などで知られるイタリアの名カロッツェリア・ベルトーネです。
特徴的なのは、当時のトレンドを反映した鋭利なウェッジシェイプ(くさび型)のシルエット。リトラクタブルヘッドライトを採用し、ノーズからテールまで直線的に伸びるラインは潔いほどシンプルです。
しかし、「MX-81」は単に四角いわけではありません。広大なガラスエリアによる開放感や、リアピラーを覆うように配置されたリアコンビネーションランプの処理など、細部のディテールは極めて前衛的。ムダを削ぎ落とした幾何学的な美しさは、ミニマルなデザインが見直されている現代においても新鮮に映ります。

そんなエクステリア以上に独創的でスタイリッシュなのが、インテリアです。
コックピットに目を向けると、ドライバーの正面にはブラウン管テレビを思わせる四角いディスプレイが鎮座。そして、その周囲を囲むように、従来の円形とはかけ離れたベルト状のステアリングホイールが配置されています。
この“画面を見ながら操作する”というインターフェースは、奇しくも現代のデジタルコックピットを予見していたかのようです。
そして、注目すべきはシートのデザインです。シート表皮には、ファッション性の高い“アーガイル柄”を思わせるひし形のモチーフを採用。また、助手席の前方に大胆な収納スペースを設けるなど、機能性と遊び心が高度にバランスしています。
無機質になりがちな未来的な空間に、テキスタイルによる温かみとファッション性を持ち込むセンス。これこそが、「MX-81」が現代の目にも「おしゃれ」と感じられる最大の要素かもしれません。
●40年の時を超えて蘇った奇跡の1台
今回展示されていた「MX-81」は、コンセプトカーとしての役目を終えた後、長らくマツダの倉庫で眠り続けていたモデルだといいます。
しかし2020年、故郷であるイタリアへと送られてフルレストアを実施。2023年の「オートモビルカウンシル」で42年ぶりに日本のファンの前へ姿を現しました。
時代ごとの常識にとらわれず、新しい価値を創造する。「MX」の名に込められたその精神は、40年という歳月を経てもなお、この美しいクーペに息づいています。その普遍的なデザインの価値は、これからも語り継がれていくことでしょう。
VAGUEからのオススメ
ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】