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スズキの新“電動コンパクトSUV”「eビターラ」は2WDがオススメ!? 4WD本命の構成ながら“ベーシックなFF”をあえてプッシュする理由とは

スズキ初のBEVがコンパクトSUVだった理由

 スズキ初のBEV(電気自動車)となった「eビターラ」が、ついに2026年1月から販売をスタート。今回ついに公道でドライブすることができました。長年、小型車をつくり続けてきたスズキが初めて手がけたBEVは、どんな乗り味なのでしょう?

 スズキは自社初のBEVを、“Bセグメント”のコンパクトSUVというカテゴリーに投入しました。「eビターラ」はインドで生産され、各国で販売されるグローバルモデルですが、このカテゴリーをチョイスした背景には、ヨーロッパ市場への強い意識があります。

 現在のヨーロッパは、電動車に対する人々の関心が高い市場ですが、なかでも北欧は、BEVのシェアが高い上に、BEVへ高い関心を寄せている人が多い地域です。

 北欧は積雪が多く4WDモデルが好まれるエリアであるとともに、電力シェアにおいて再生可能エネルギーの割合が大きいことから、BEVに対する優遇税制なども積極的に展開されています。こうした背景から、ヨーロッパ市場全体で4WDのBEVに対するニーズが高まっているそうです。

 しかし、その手のモデルを探す場合、これまではミドルサイズ以上のSUVが多く、コンパクトで4WDシステムを備えたBEVというのは、あまり存在していませんでした。

 そこでBEVメーカーとしては後発となるスズキは「新規参入するなら、このすき間市場にこそ勝機があるはず」と判断。BセグメントのSUVで4WDを設定したモデルである「eビターラ」を誕生させたのです。

スズキ初の量産BEV「eビターラ」
スズキ初の量産BEV「eビターラ」

 日本市場に展開される「eビターラ」には、3つのグレードが用意されています。上級グレードである「Z」には4WDと2WDの設定があり、エントリーグレードの「X」は2WDのみの展開となります。気になる1充電当たりの航続距離は、「Z」の2WDが520km、同4WDが472km、「X」が433kmとなっています。

 そのうち今回は、「Z」グレードの2WDと4WDに試乗することができました。

 4WD車は“ALLGRIP-e”と呼ばれる電動化に合わせた新4WDシステムを採用していて、舗装路面での安定した走りと優れた悪路走破性を両立しています。

 この新4WDシステムの採用とターゲット戦略を踏まえると、スズキの“推しグレード”は「Z」の4WDになると思われますが、今回、試乗を終えての筆者(西川昇吾)の率直な感想は、「2WDの方が多くの人にオススメ!」というものでした。

 今回の試乗コースは市街地や高速道路といった舗装路がメインだったのですが、このようなシチュエーションでは2WDの方が乗り心地はよく、多くの人が幸せになれる乗り味だと感じました。

 4WDは路面の細かな凹凸をよく拾ってしまい、乗り心地のカドが目立つ印象。冬場の雪道やオフロードを走る機会が多くなければ、2WDを選んだ方が満足できると思います。

 そんな「eビターラ」の乗り味は、これまでエンジン車やハイブリッド車に乗ってきた人でも馴染みやすいもので、自然に操作しやすい点が印象的でした。

 特に感心させられたのがブレーキ。効き具合を変更できる回生ブレーキを弱めに設定しておけば、BEVでありがちな「ブレーキペダルに触れただけなのに回生ブレーキで急激に立ち上がり減速した」といったこともありません。ブレーキを踏んだ際のフィーリングはやや硬めで、コントロールしやすい印象でした。

 スロットルも同様で、以前のBEVでよく見られた、急激に立ち上がる加速力をアピールする感じではありません。ドライバーのアクセル操作に対して素直に駆動力が高まり、かつてのBEVで見られた、いたずらに過敏なレスポンスではないのも好印象でした。

スズキ初の量産BEV「eビターラ」
スズキ初の量産BEV「eビターラ」

 また、コックピットからの前方視界が良好なのも「eビターラ」の美点です。ドライバー周囲のガラスが下部まで大きく広がっており、「明るくて視界良好」という印象を覚えました。

 さらに、ボンネットの形状が角ばっているため、車両感覚をつかみやすいのも魅力的。日常的に狭い道を走ることが多いユーザーにも勧めやすいと感じました。

●操作系に疑問を感じるポイントも

 そんな「eビターラ」ですが、少しだけ気になるポイントがありました。

 ひとつ目はインフォテインメント系。これまでのスズキ車にはなかった新世代のシステムを採用しているのですが、ナビゲーションを始めとする各種操作がしづらく感じました。

 特に、シートヒーターやステアリングヒーターは、タッチパネルを3回ほど押して深い階層へ行かないと操作できないのは不便に感じました。物理スイッチが比較的多く残されているモデルだけに、今後のブラッシュアップに期待したいところです。

 また走行中、ステアリングの操舵力が重く感じたのも気になりました。現状の重さだと、特に女性ドライバーなどは重く感じてしまうかもしれません。

* * *

「eビターラ」は、スズキが初めて取り組んだBEVだと考えると、完成度は高いと思います。この先、今回気になった箇所がブラッシュアップされ、さらによいクルマになることを期待したいところです。

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