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米国ラスベガスを走り回る“無人タクシー”「ズークス」ってなに? アプリで予約し無料で乗り降りできる自動運転カー 乗ってわかった使い勝手や乗り心地、そして運転技術とは

走りは驚くほどアグレッシブ!乗り心地も快適そのもの

 乗車するときは、スマホのアプリから「Open doors」をタップ。これでドアが左右に開きます。

乗車場所では次々にZOOXが到着するため、配車予約した車両ナンバーを頼りに自分たちの車両を探す
乗車場所では次々にZOOXが到着するため、配車予約した車両ナンバーを頼りに自分たちの車両を探す

 車内に入ると向かい合わせで2人×2が座れるシートが備えられ、着座してシートベルトを締めれば準備は完了です。目的地はあらかじめて指定してあるので、「Close Door」をタップしてドアを閉めるとZOOXはすぐに目的地へ向けて出発です。

 ホテルの敷地内から通りへ出ると、EVらしい力強い加速で走り出しました。その走りはかなりアグレッシブです。

 車内に速度計がなかったため、実際のどのぐらい出ているかは不明ですが、少なくとも周囲の流れには十分乗れており、それから推察すると50km/h前後は出ていたのではないかと思います。関係者の話では、車両の設計上は最高速度75mph(約120km/h)まで対応でき、高速道路上での運行も可能とのこと。
 
 また、駆動系には4WSと4WDを採用したことで、幅広い道路環境に対応できる仕様になっているということでした。

 移動中の乗り心地もきわめて快適でした。

 タイヤが大径であることや、一般的なEVと同様にバッテリーを床下に積載していることもあり、ドッシリとした安定感のある走りです。カーブでも滑らかにトレースしていくので、不安はまったく感じません。

 ただ、シートに備えられたヘッドレストが視界を遮っているため、前後の状況はほとんど見ることができません。よって、走行風景は左右の窓越しに見るだけとなり、その感覚は電車やバスに乗っているのに近いとも言えるでしょう。

 車内は空調のコントロールやBGMが選べるようにもなっているほか、USB端子やワイヤレス充電器も装備。また、天井には明るさを取り込めるガラスサンルーフを備えて快適性もしっかりサポート。

 この時はBGMとして「Saturday Night Fever」を選んだこともあり、わずか15分程度の時間でしたが、きらめくラスベガスのネオン街をZOOXはまさに“疾走”する感じで走り抜け、目的地の「New York-New York Hotel & Casino」へと運んでくれたのです。

●ZOOXはラスベガス市内に約100台を投入。自動運転の現実感で日本を大きくリード

 さて、このZOOXが実施しているサービスですが、聞くところによればラスベガス市内に100台程度の車両が投入されているそうで、自動運転の現実感は日本の状況と桁違いであると言わざるを得ません。

ZOOXに乗車中の筆者。走りは周囲の交通の流れに乗って走るので、乗車中に違和感を感じることはまったくなかった
ZOOXに乗車中の筆者。走りは周囲の交通の流れに乗って走るので、乗車中に違和感を感じることはまったくなかった

 これまで日本でもドライバーレスの実証実験は実施されてきましたが、それらは他の車両が入れない専用道路で走行するか、すぐに停止できる時速20km以下のスローモビリティでの走行が基本だったからです。

 そんな中でZOOXに最も近い形となりそうなのが、日産が横浜市みなとみらい地区で実施している「Eazy Ride」です。

 現状では保安要員が乗車しているものの、近い将来、ZOOXと同様、遠隔操作を前提としたドライバーレスでの自動運転レベル4での運行を目指しています。このEazy Rideにも試乗していますが、ZOOXほど走りにアグレッシブさはないものの、その制御はきわめてスムーズで本格的な自動運転を予感させるに十分でした。

 さらに日本では、Google系のWaymoがロボタクシーを実現すべく、東京都内を中心に地図のデータ取りをしている状況にあり、自動運転によるサービス提供が少しずつ現実味を帯びて来ていると言えるでしょう。

 日本は道路交通に関するジュネーブ条約締結国であり、ドイツと共に自動運転の国際ルール作りにおいて主導的な立場にあることも忘れてはなりません。

 今は各国と調整する役回りになっているのも否定できませんが、こうした技術が一刻も早く、展開されていくことを期待したいと思います。

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会田肇
会田肇
モータージャーナリスト
1956年、茨城県生まれ。大学卒業後、自動車雑誌の編集部を経てフリーランスに転身。カーナビやカーAV分野を中心に取材・執筆活動をスタートし、現在はインフォテインメントシステム、ADAS(先進運転支援システム)、ITS(高度道路交通システム)など幅広いモビリティ分野を取材対象としている。また、趣味である旅行好きが高じてエアライン関連の取材・執筆も行う。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

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