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V8エンジンの“声”に魅了される「最後の可憐な跳ね馬」とは? クルマ好きがフェラーリ「F355」に心を奪われる理由【今こそ乗っておきたい名車たち】

このクルマのためなら「人生を棒に振っても構わないかも……」

 ここで、2026年4月時点の市況を見てみましょう。直近の平均価格は2000万~2300万円といったところ。一時期の「良質車は3000万円超えが当たり前」という投機的なバブルは若干、落ち着きを見せているものの、2000万円を切る低走行物件はなかなかない、というのが現状です。

 各種パーツの供給状況は、幸いなことに“フェラーリ・クラシケ”の充実により改善されつつあるものの、その価格は上昇の一途。そのため、エンジン脱着を含むタイミングベルト交換にも、エアコンや電装系、あるいは足まわりなどのリフレッシュにも、相当なコストがかかるのは必至の状況となっています。

 もしも、そのコストを「法外に高い」と感じるのなら、この跳ね馬には近寄らないでおくのが賢明でしょう。

 なぜなら、フェラーリ「F355」はもはや“自動車”ではないからです。それは“世界的な文化遺産”であり、同時に“内燃機関が牽引した時代の美しき墓標”でもあるのです。

“世界的な文化遺産”の維持管理や、世界におけるひとつの時代を代表した存在の“墓標”を建立するには、当然ながら大金がかかるのが世の常です。

 それゆえ、多くの人に対して「『F355』はもう見て楽しむだけにしときましょう」というのが、筆者(伊達軍曹)の偽らざる本心ではあります。

「F355」には伝統の6速のゲート式MTも設定された
「F355」には伝統の6速のゲート式MTも設定された

 けれど難しいのは“気合いの超長期ローンを組めば買えなくもない”という事実もあること。総額2200万円の「F355」に対して頭金800万円也を気合いで用意し、そして気合いの120回ローンを金利2.9%で組んだとすると(組めるだけの与信があったとすると)、毎月均等払の場合のローン金額は月々約13万5000円。もちろん高いことは高いのですが、クルマ以外の人生を棒に振る覚悟があるなら、払えなくもない金額ではあります。

 フェラーリ「F355」には、このクルマのためなら「人生を棒に振っても構わないかも……」と少し思ってしまうくらいの“魔性”があるというのが、なかなか厄介なポイントなのです。

Gallery 【画像】超カッコいい! 人生を棒に振っても構わない!? フェラーリ「F355」を写真で見る(10枚)
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