9000回転まで回るエンジンを味わうために誕生!? 四半世紀を経ても色あせないホンダ「S2000」の“走る悦び”とは【今こそ乗っておきたい名車たち】
レブリミット9000rpm! “甘美なる毒”の輝きはさらにアップ
そんなホンダ「S2000」の中古車事情は、本記事の執筆時点でやや難しく、厳しい局面を迎えています。
数年前の相場爆騰を経て、現在は高止まりの状態となっており、コンディション良好と推定される個体は最低でも400万円台から。走行距離が少なく、ボディカラーも希少な最終型の「タイプS」ともなれば、800万円超となるケースも珍しくありません。
そして、市場で流通している物件は“徹底的にレストアされた美術品級”と“ハードに使い倒された戦士の残骸”に二極化しており、その中間に当たる“そこそこの個体”が絶滅しつつあるというのが現在の状況です。
幸いなことにホンダは「『S2000』20周年記念パーツ」の再販など、この名車の維持に向けたサポートを続けているわけですが、一部のプラスチック製トリムやECU(エンジンコントロールユニット)まわりなどは、依然として欠品の恐怖もつきまといます。
それゆえ今、「S2000」を手に入れるということは、単に中古車の車両本体価格および諸費用を支払うだけでなく、その後の“文化財保護活動”をおこなう覚悟と予算があるか否かも問われているに等しいのです。
「S2000」というクルマは、決して万人向けの優等生ではありません。けれど、一度でも9000rpmの咆哮を味わってしまえば――いや、後期型に搭載される“F22C”型エンジンの8000rpmでも、ひとたび味わえば「室内が狭い」、「収納は皆無に等しい」、「足はけっこう硬い」といった、一般的なクルマとしては欠点に該当する部分も、当然ながら“愛すべき個性”へと変わっていきます。
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