VAGUE(ヴァーグ)

なぜ高級セダンに“スポーツカーの技術”を採用? 新しいメルセデス・ベンツ「Sクラス」に乗って分かった”ライバル不在”の理由

ディーゼルやPHEVも「Sクラス」の名に恥じない仕上がり

 それにしても、一時はBEV(電気自動車)に全振りかのように見せておいて、実はこうして内燃エンジンの大幅アップデートも進めていたとは……さすがはメルセデス・ベンツ、抜かりはありません。しかも新しい「Sクラス」、このV8ユニットだけでなくすべてのパワートレインが進化型となっています。

「S450d 4マチック ロング」が積むのは、将来的な排ガス規制強化に対応すべく改良された3リッター直列6気筒ディーゼルの“OM656 Evo.”ユニット。始動直後など低温時のエミッション低減のために、触媒コンバーターに電気式ヒーターが装備されたのが特徴です。

 いい意味でディーゼルだと意識させないきめ細やかな吹け上がり、そしていかにもディーゼルらしい750Nmという強力なトルクを活かしたそのゆとりある走りは絶品。こちらは“AIRMATIC”サスペンション仕様でしたが、当たりのソフトさ、鷹揚な乗り味は、むしろこちらが上手と感じるほどでした。

 それでいてスタビリティはきわめて高く、まさに矢のように直進していきます。これこそメルセデス! と思わず歓喜してしまう懐深い走りっぷりに、スペックには表れない進化を実感したのでした。

 それには、レベル2++を謳った先進運転支援装備“MB.DRIVE ASSIST”の貢献も小さくありません。車間の調整、周辺車両の検知、車線変更支援などの振る舞いが非常に賢く、なめらかなおかげで、雨のアウトバーンでも安心の高速クルージングを楽しめました。

メルセデス・ベンツ「S450d 4マチック ロング」
メルセデス・ベンツ「S450d 4マチック ロング」

 PHEV(プラグインハイブリッド)の「S580e 4マチック ロング」にも乗ることができました。3リッター直列6気筒ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせ、EV航続距離は約100kmというこのモデル、普段の走行ではほとんどエンジンが掛かることはありません。高速道路でも静寂を保ったまま、ぐんぐん速度を高めていきます。

 エンジンが始動しても、電気モーターのトルクと反応のよさを活かしたドライバビリティは上々。そもそも直列6気筒エンジン自体、非常に精度感高く回るおかげもあって、トロットロに豊かな走りを満喫できるのです。

 ステアリングを握る人はもちろん、後席に乗る人もうれしいプラグインハイブリッドの走りは、これぞ紛れもない「Sクラス」。日本向けの設定の有無は分かりませんが、これがないのはもったいない、というのが個人的な実感です。

メルセデス・ベンツ「S580e 4マチック ロング」
メルセデス・ベンツ「S580e 4マチック ロング」

* * *

 振り返ると、2020年に現行「Sクラス」が登場した際には、内外装ともにシンプルでクリーンな印象だったものですが、新型はその外観に象徴されるように強烈に存在感をアピールするものとなりました。激化するラグジュアリーカー市場で、改めて絶対王者の威厳を示しておこうということでしょうか。

 実際、その仕上がりは見た目以上にインパクトの大きい、「まさに『Sクラス』ここにあり」と実感させるものでした。ちなみに日本には、思いのほか早く上陸することになりそうですよ。

Gallery 【画像】超カッコいい! これが史上最大の進化を遂げたメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」です(30枚以上)
「2段あたため」レンジがすごすぎるっ!? 最新レンジを徹底紹介

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】

ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】

RECOMMEND