ホイールベース延長に社内で大ブーイングが起きたことも!? マツダ新型「CX-5」が広いリアシートと荷室を手に入れるまでの「知られざる開発秘話」
開発の3本柱で最も意識された“日常での使い勝手と快適性”
マツダの屋台骨を支えるヒットモデル「CX-5」が、9年ぶりのフルモデルチェンジで3代目へと進化しました。そのユーティリティは、写真を見てもうかがえるほど従来モデルから格段に向上しています。どのような進化によってこれまでにない魅力を獲得したのでしょうか?
3代目となった新型「CX-5」の開発コンセプトは“新世代エモーショナル・デイリーコンフォート”。マツダ車の美点であるエモーショナルな走りはそのままに、最新のコネクティッドシステムや運転支援システムなどによってイマドキのクルマの価値と、デイリーユースにおける使い勝手や快適性を追求しています。
つまり新型「CX-5」は、走りとデザイン、先進的価値、日常での使い勝手や快適性という3つの要素を、バランスよく引き上げたクルマとなっています。
開発陣によると、この3本柱の中で特に意識したのが、日常での使い勝手や快適性だといいます。なかでもリアシートの快適性向上とラゲッジスペースの拡大を実現すべく、新型はホイールベースを115mm延長しています。
これにより、リアシートの着座位置は従来モデル比で後方にズレ、後席乗員の足元は64mm広くなっています。また、ラゲッジスペースも奥行きが45mm長くなり、ベビーカーを縦向きに積載できるように。このように、延長されたホイールベースが後席空間とラゲッジスペースの拡大に充てられたことが分かります。

ちなみに、ベビーカーを縦向きに積載できるというのはファミリーユーザーを強く意識したアピール。こうした分かりやすさを起点に、これまでマツダ車に触れてこなかったユーザーを獲得する……新型「CX-5」にはそんなねらいが込められているようです。
●足まわりの担当者に大ブーイングを食らったロングホイールベース化
このように、エンジンやプラットホームなど主要メカニズムの多くが従来モデルからキャリーオーバーされている新型「CX-5」のハードウェアで最も大きな変化は、延長されたホイールベースです。この日常の使い勝手や快適性の追求を“一丁目一番地”と位置づけたことが、走りの方向性を決めるに当たって大きな影響を与えたそうです。
走りの方向性を左右するサスペンション開発チームからは、当初、既存のプラットフォームのままホイールベースを115mm延ばすことに対して、大ブーイングが起こったそうです。
115mm長くなるホイールベース、さらに、それに伴って車重が同じ2.5リッターの2WD車で約90kg重くなる一方、サスペンション開発チームはマツダ車らしい軽快なハンドリングを実現しながら、従来モデル以上に快適な乗り心地の実現を求められたといいますから、大ブーイングも当然のことでしょう。
サスペンション開発チームは相当難しい課題に直面したものの、なんとか落としどころを見つけた様子。実際、ステアリングを握ってみると、その走りにはロングホイールベース化と車重アップを感じさせない軽快感があり、マツダ車らしい走りは健在といえる仕上がりになっていました。
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