マツダ新型「CX-5」足まわりのセッティングが激変した理由とは? 不利な条件をサスペンションの開発陣はどう乗り越えたのか
キーポイントは“動き始めから効く”ショックアブソーバー
先ごろ3代目へと進化したマツダのミッドサイズSUV「CX-5」。新型は先代比でホイールベースが115mm延長されていますが、プラットホーム自体は基本的に、先代モデルからキャリーオーバーされたものを改良して使っています。その結果、サスペンション開発チームは多大な苦労を強いられたといいます。
新型「CX-5」で最も重視されたのは“日常での使い勝手や快適性”。その背景には、多くの人が魅力を感じやすい要素でアピールし、マツダ車ユーザーをこれまで以上に増やそう、このセグメントでシェアを拡大しようという考えがあったといいます。
そのために必須だったのが、ホイールベースの延長。これにより、リアシートの足元は広くなり、ラゲッジスペースは奥行きが拡大した上に使い勝手も向上しています。
この方針に対して、操縦安定性を始めとするシャシー開発チームは苦労させられたようです。ホイールベースを115mm延長すれば、操作性は当然、大きく変わってきますし、車重も重くなります。
それでいて開発チームは、マツダ車らしい軽快な走りと快適な乗り心地の両立が求められたのです。グレードによって多少の違いはありますが、新型は先代モデル比で90kgほど重くなっており、開発チームは軽快な走りを実現するのに難儀したといいます。
キャリーオーバーされたプラットホームと長くなったホイールベースで、走りの軽快感と快適な乗り心地を両立する……その実現のために、シャシー開発チームはさまざまなプランを検討したのだとか。

そんな中、従来モデルと大きく変わったのが、ショックアブソーバーです。先代モデルはスプリングを硬くすることで軽快な乗り味を演出していたのですが、同じ考え方では乗り心地が悪くなってしまいます。
そこで新型は、サスペンションが動き始めたときから減衰力を発生させ、ショックアブソーバーの減衰力でタイヤを地面に押しつける力を補う考え方へとシフト。これにより、スプリングをやわらかくして快適な乗り心地を確保した上で、軽快なハンドリングを両立したといいます。
そのために、ショックアブソーバーはこれまで以上に吟味したとのこと。前後ともにZF製のものが採用されていますが、これは、マツダの要望に最も近いものを提供できるのがZFだったからだといいます。
これまでマツダは、ショックアブソーバーを選定する場合、サプライヤーから提案されたものの中から選定するというスタイルを採用していたそうですが、新型「CX-5」ではマツダが要望したスペックに対し、一番近いものを選ぶというスタイルに変更したのだとか。そのためか、先代モデルに対して、新型は前後ともショックアブソーバーのサプライヤーが異なっています。
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