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「えっ、“クワトロ”じゃないの!?」と驚くほどの安定感! アウディ新型「Q3」はエントリー仕様の前輪駆動モデルでも驚くほど静かで快適です

前輪駆動でも驚くほどの安定感と上質な乗り心地

 そろそろ走り出すことにしましょう。「Q3 TFSI 110kW アドバンスド」のパワートレインは、1.5リッター直列4気筒ターボエンジンとマイルドハイブリッドシステム、そして7速“Sトロニック”の組み合わせ。駆動方式はFFとなります。

 最高出力は車名のとおりの110kW=150ps、最大トルクは250Nmということで、その動力性能はのけぞるほど速いわけではありませんが、十分に快活です。正直にいうと、出足の一瞬だけはもう少し電気モーターが頑張ってくれたら、と思ったのですが、その先はフラットな特性で、特にさすがはドイツ車らしく、高速域は余裕すら感じさせます。

“シリンダー・オン・デマンド”=気筒休止機構も備わりますが、私(島下泰久)は動作を体感できませんでした。つまり、ひっそり気づかれることなく燃費向上を実現しているということになります。エンジン音がいいのもうれしいポイントで、回していってもストレスはありません。

 それより驚いたのはシャシー性能。まずはとにかくビシッと真っ直ぐ走ってくれます。特に高速道路での「これ“クワトロ”じゃないよね?」と一瞬考えてしまったほどの安定感、安心感は、このクラスへの期待値を超えるもので、とてもうれしい驚きでした。

 しかも、乗り心地がこれまた上質。実はクルマを受け取って、石畳のような舗装の上を走り出した瞬間から「オッ!」と思ったのですが、サスペンションがストローク初期にとてもしなやかで、鋭い入力を一切伝えてこないのです。

アウディ新型「Q3」
アウディ新型「Q3」

 時に19インチタイヤのマスは感じられるものの、ボディは常にフラットな姿勢を保っていて、サスペンションだけがきれいに上下している感覚。まさに見た目と同じように、車格がひとクラス上がったかのような落ち着きをもたらしているのでした。

 実は新型「Q3」は、サスペンションに贅沢にも2バルブ式電子制御ダンピングコントロールを採用しています。伸び側と縮み側の油圧回路を完全に独立させることで、普段はとてもなめらかに、そして、いざとなればカッチリとした減衰力を発揮して走りと乗り心地を両立するということで、実際の走りも、まさにそのとおりに仕上げられていたのです。特に、微低速域でのビロードの上をすべるようなタッチは、絶品です。

 運転支援システムも充実していて、目下「A5」系などには未設定の車線内中央維持機能もそろっていますが、渋滞内での使用では若干、挙動に唐突感があり、今後のアップデートを望みたいところです。

 一方、自慢の“デジタルマトリクスLEDヘッドライト”を活用して、夜間に車線逸脱警告、車線変更アシストなどの動作状況をアニメーションとして前方の路面に投影する機能も装備。一度、駐車支援を使えば、次回以降はクルマがそれを再現してくれる“パークアシストプロ”、狭い道の先から後退で戻るのを支援する“リバーシングアシスト”などの、かゆいところに手が届く新機能も満載されています。

* * *

 正直、車体の基本骨格やパワートレインが大きく変わったわけではなく、デザインやデジタル環境、運転支援システムの進化がフィーチャーされている新しいアウディ「Q3」ですが、実際に走らせてみるほど驚くほどの進化、あるいは深化を実現していて、大いに驚かされました。見た目だけでなく、この点でも上級モデルを喰ってしまうのでは……と思ったのは、本音も本音です。

 なお、ラインナップにはほかに150kW(204ps)を発生するクワトロが用意されますが、先代で人気だったディーゼルは廃止に。これと1860mmという全幅が議論となりそうですが、トータルで見ればその仕上がりは上々といっていいでしょう。これで550万円(消費税込)〜という価格設定は、今どきかなり魅力的ではないでしょうか。

Gallery 【画像】超カッコいい! 格上モデルに迫る質感と走りを実現したアウディ新型「Q3」を写真で見る(30枚以上)
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