なぜ三菱自動車の「スターキャンプ」は35年も続いているのか? メーカーとユーザーが育てる“唯一無二のイベント”の舞台裏【Behind the Product#41】
三菱車ユーザー限定だからこそ生まれる一体感
全国から600組の三菱車オーナーが集まった「スターキャンプ2026」。静岡県富士宮市の朝霧高原にある「ふもとっぱら」キャンプ場で開催されたこのイベントは、今回で22回目を迎えました。キャンプイベントとしては異例ともいえる長寿イベントですが、その背景には三菱自動車ならではの考え方がありました。イベントを統括する三菱自動車 国内営業本部 国内商品戦略部の竹内直子さんに、その舞台裏をうかがいました。
「スターキャンプ」は2025年から、参加対象を三菱車オーナー限定へと変更しました。それまでは一般参加も受け付けていましたが、現在は三菱車オーナーのみが応募できる形式となっています。
「社内でもさまざまな議論がありました。ただ実際にやってみると、同じ三菱車オーナーどうしだからこその一体感が生まれたんです」(竹内さん)
2026年に参加したのは約600組で、応募倍率は2倍以上。応募時には車両ナンバーの登録を必須とするなど、運営面の精度も高めたといいます。
「三菱ファンとのつながりを強くしたいという思いがあります。もちろん、まだ三菱車に乗っていない方にもクルマの魅力、『スターキャンプ』の楽しさを知っていただきたい気持ちはありますが、このイベントは、まずは今、三菱車に乗ってくださっている方々に楽しんでいただくことを大切にしています」(竹内さん)
実際に会場を歩いていると、その狙いが確かに伝わってきます。参加者どうしが自然と会話を交わし、初対面でも同じブランドのクルマに乗っているというだけで話が弾みます。どこかおだやかで、肩ひじ張らない空気が流れていました。

「スターキャンプ」の魅力を尋ねた際、多くの参加者たちが口にしていたのが“コミュニティの存在”です。
「長く続けていると、お客様どうしのつながりが生まれるんです。『スターキャンプ』で知り合った方どうしが、その後も交流を続けているケースも多いんです」(竹内さん)
初代「パジェロ」に乗るオーナーの方は「ここに来ると、『また会えたね』って声を掛け合うんですよ」と話してくれました。31年間乗り続けた初代「パジェロ」で42万kmを走破し、現在も別の初代「パジェロ」を大切に乗り続けている筋金入りの三菱ファンです。その言葉を伝えると、「まさにそういう場所なんです!」とうなずく竹内さん。
「お客さまどうしはもちろんのこと、三菱のスタッフともコミュニケーションを取っていただける場所なんです。歩いているだけで面白いという声もいただきますし、『こんなカスタムがあるんだ』、『こんな使い方があるんだ』という発見も生まれています」(竹内さん)
だからこそ、会場ではクルマの話だけでなく、キャンプや家族の話にも花が咲きます。「また会えたね」という言葉が自然に交わされる理由も、きっとそこにあるのでしょう。
●三菱自動車の社員からも人気のイベント
「スターキャンプ」を支えているのは、参加者だけではありません。運営スタッフとして参加する社員は約50名。その多くが社内の募集によって集まった人たちだといいます。
「募集すると『行きたい!』といって積極的に手を挙げる社員が本当に多いんです」(竹内さん)

営業部門に加えて海外営業や管理部門など、普段、ユーザーと接する機会の少ない部署からも多くの応募が集まるといいます。
「もちろん皆、運営スタッフとして働くのですが、空いた時間にお客さまと話をしたり、実際にどんな使われ方をしているのか見たりすることができます。オフィスにいるだけでは得られない貴重な体験なんです」(竹内さん)
さらに会場には、市場調査や商品企画に関わる社員も訪れるのだとか。三菱車オーナーにインタビューをおこない、その声を商品開発やサービス改善へ生かしているといいます。
「オーナーの方と直接話せる機会って、案外、少ないんです。だからこそこのイベントは、すごく貴重な場なんですよね」(竹内さん)
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