えっ、ワゴン仕様のポルシェ「911」!? ポーランドのチューナーが“991.2”のシューティングブレークを実車化へ 2027年グッドウッドでの公開を目指す
SNSでの大反響を受けて「911ワゴン」を実車化へ
ポルシェの“991”型「911」をシューティングブレークに改造する……ポーランドのチューナー・インデセント(Indecent)が、そんな前代未聞のプロジェクトを始動させました。同社はこれまでに、ポルシェ「911」の“997”や“991”世代のワイドボディキットや、ダカールスタイルやスラントノーズなど、個性的な改造を少量生産で手がけてきた実力派です。
そんな同社が、先日、“991”世代の後期型“991.2”をベースに、ルーフラインとリアエンドを大胆にモディファイしたレンダリング画像を公開しました。すると、想定をはるかに上回る反響があり、「これはつくるしかない」と実車製作の決断に至ったそうです。しかも、すでに最初の1台は顧客から正式に発注され、実車製作が始まっているのだとか!
それにしても、SNSのレンダリング投稿が実車製作の引き金になる時代が来るとは、なんとも面白いものです。かつてであれば、専門誌のスケッチくらいで終わっていたアイデアが今やリアルな3DのCGで世界中に公開され、しかも数日のうちに「つくってくれ」という声が集まってしまうのですから。クルマ好きとチューナーとの距離が、これほど縮まった時代はなかったかもしれませんね。
シューティングブレークの起源は、19世紀の英国にさかのぼります。貴族たちが狩猟に出かけるために使った馬車がその原点で、猟銃や猟犬、そして獲物を積み込めるよう広い荷室を持っていたのが特徴です。

現代では、クーペのスポーティなシルエットを保ちながら、ルーフラインを後方まで伸ばしてステーションワゴン的な実用性を加えたボディタイプを指します。
メルセデス・ベンツ「CLSシューティングブレーク」や、フェラーリ「GTC4ルッソ」などがその代表例。美しくて速い、そして荷物も積める……そんな欲張りなコンセプトが、今も一部のエンスーを魅了し続けているのです。
●レンダリングから実車化されるスタイルは“差別化”か“冒涜”か
ただ、この改造、ひと筋縄ではいかない様子です。「911」ですから、エンジンはリアに搭載されています。シューティングブレーク化では、通気口を備えたエンジンカバーが専用のテールゲートに置き換わるため、エンジン冷却に必要な通気設計を見直さなければならないのです。
具体的なベース車両は“991.2”の「911ターボ」。製作期間は約1年が見込まれており、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2027」でのデビューを目指しています。世界中の自動車ファンが集まるイベントに“異形”の「911」が姿を現す瞬間は、きっと大きな話題となるでしょう。
シューティングブレーク化は、インデセント社が手がける“991”世代向けワイドボディキットのオプションとして展開される予定で、“991.1”および“991.2”のターボ、ターボS、GT2 RSに対応するそうです。
2台目以降の製作期間は最長4か月に短縮される見通しで、気になる価格はベース車両代とは別に約35万ドル(1ドル=約158円換算で約5500万円)と決して安くはありませんが、完成すれば極めて希少な「911シューティングブレーク」となることを考えれば、その価格設定も理解できなくはありません。
まぁ「911」をシューティングブレーク化することが、差別化なのか冒涜なのか、ポルシェのエンスージアストの間では意見が分かれることでしょう。しかし、どんな名車も、超絶富裕層にとっては差別化のベース車両になりがちで、時には新しい価値が生まれることも。インデセントが挑むこのプロジェクトは、「911」の可能性をどこまで広げられるのか、2027年のグッドウッドが待ち遠しくなってきました。
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